内容説明
遙かモンゴルへの思いを熱く語った「草原からのメッセージ」や、その隠蔽体質を厳しく批判した「ノモンハン事件に見た日本陸軍の落日」など、1992年から1995年までの講演17本と通巻索引を収めた講演録最終巻。国民的作家が歩んだ思索の道を辿るシリーズ、ここに堂々の完結。
目次
一九九二年(播磨と黒田官兵衛;九州の東京志向の原形 ほか)
一九九三年(秀吉を育てた近江人脈;防衛と日本史 ほか)
一九九四年(『坂の上の雲』秘話;会津の悲運 ほか)
一九九五年(臓器移植と宗教;少数民族の誇り)
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
1923年大阪府生まれ。大阪外国語学校蒙古語部卒業。60年「梟の城」で第42回直木賞を受賞。75年芸術院恩賜賞受賞。93年文化勲章受章。96年死去。主な作品に、『国盗り物語』(菊池寛賞)『世に棲む日日』(吉川英治文学賞)『ひとびとの跫音』(読売文学賞)『韃靼疾風録』(大仏次郎賞)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aponchan
18
司馬遼太郎氏作品乱読のうちの一冊。最終巻というのが悲しかったが、氏の日本人感を強く感じさせられる一冊だった。氏の歴史小説も好きだが、対談集や紀行文はもっと楽しい。これからも機会を見つけて乱読していきたい。2021/12/24
まさにい
11
講演は当然聞き手を前にして話す。なので、非常にわかりやすい。『ノモンハン事件に見た日本陸軍の落日』、ここで、日本人の隠ぺい体質について述べている。今も隠蔽体質は治っていない。森友学園事件の国税庁長官の対応もその一つ。平穏に過ぎているように見える毎日ではあるが、何か社会が閉塞していっているようにも思える。死後20年ほど経って、あの時と今とではどのように異なっているのかということを再認識するために読み始めたが、あまりいい方向には進んでいないように思えるのは僕だけではないと思う。2018/02/17
剛腕伝説
9
1992年〜1995年の17講演が収められている。1995年といえば亡くなる前年である。言わば司馬さんの最後のメッセージの様な一冊。内容は主催する団体により多岐に渡っている。昭和の陸軍の狂気、氏の好きだったモンゴルの草原、竜馬の事、正岡子規の事、秀吉を育てた近江の事等々。まず驚かされるのは聴衆に対する気配りである。福島県では、「幕末の会津の悲運を語る時不覚にも涙を零しそうになった」また、名古屋では「元朝の官職に下郎があり、その人が日本に来て作ったお菓子をウィローと呼んだ」等々。 本当に人としても素敵だ。2019/04/29
まさにい
7
再読。仏教にも造詣の深い司馬さん。僕は平等権の見地から考えてみた。空=『0』という記述がある。『0』=ゼロの概念がインドから中国に入ってきたとき、それを訳する言葉が無く、空としたと書いてある。平等という概念は人権の中でも異質と僕は思っていいる。人権という観念が生ずる前から、人は比較はできた古い概念であるから。法然や親鸞は死の前の平等という意味で空を使ったと思われる。ただ、権力が平等という場合には、そこに目的があるから気を付けた方がいいと思う。明治国家は国民国家を作るために天皇も元に平等という概念を作った。2022/07/10
うえ
5
「九州は自然の大地に恵まれていて、人間の能力は歴史が証明するように日本人の平均より高くてどうして九州のみで何事か起きないのでしょうか」坊やだからさ。「「内モンゴルを開拓すると北京が砂漠になる」と賢そうなことを言ったことがある…そのとおりななっています。北京近郊まで砂漠が押し寄せています」「イギリスの探偵小説のタブー…そのひとつに「中国人を出してはいけない」」スペイン海軍は何故英国に負けたか「巨体な敵を破るための部署の把握と任務をやり遂げる「duty」の概念が必要…dutyの概念にスペインは負けたのだろう」2014/12/30
-
- 和書
- 中世村落の形成と村社会