内容説明
正岡子規、与謝野晶子、北原白秋、石川啄木、斎藤茂吉らが牽引し、短歌と俳句文学は新たな発展を遂げた。日本文学への深い愛情をこめて単独執筆した魅力あふれる通史。
目次
短歌(初期の短歌;落合直文;鉄幹、晶子と『明星』の歌人たち;北原白秋;自然主義の歌人たち;石川啄木;正岡子規;伊藤左千夫と長塚節;島木赤彦;斎藤茂吉;その他の歌人;戦後の歌人)
俳句(正岡子規;子規の弟子たち―河東碧梧桐と高浜虚子;自由律の俳人たち;『ホトトギス』派の俳人たち;『ホトトギス』派への反発;山口誓子;川端茅舎と後期『ホトトギス』派;人間探求派の俳人たち;戦後の俳句)
著者等紹介
キーン,ドナルド[キーン,ドナルド][Keene,Donald]
1922年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学、同大学院、ケンブリッジ大学を経て、53年に京都大学大学院に留学。現在、コロンビア大学名誉教授、アメリカ・アカデミー会員、日本学士院客員。文化功労者。勲二等旭日重光章受章。菊池寛賞、読売文学賞、毎日出版文化賞など、受賞多数。2008年文化勲章受章
新井潤美[アライメグミ]
1961年生まれ。1990年、東京大学大学院博士課程満期退学。専攻はイギリス文学、イギリス文化、比較文学比較文化。現在、中央大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
12
短歌・俳句について。小説以外の表現方法にも関心があるので、興味深く読めた。ただ、詩歌のみで生計を立てていくというのは、とても大変そうだ。先人たちは偉大だと思う。2012/08/09
もだんたいむす
4
辛口で中々面白かった。キーン氏は俳句よりも短歌の方が好きなんだろうなと思った。★★★★★2017/03/11
もやしと食パン
1
漱石の『こころ』における部分だけ読みました。論文的な攻撃性はなく、表面的な一般論のまとめの要素が強いかもしれません。2014/11/19
Naoto Ono
1
戦後、桑原武夫が「第二芸術論」で近代俳句について論じた。15の俳句を用意して、作者の名前を伏せたまま何人かの知識人にそれらを評価してもらう。有名な俳人のものが10句、素人のものが5句。結果は混沌としたもので、俳句の客観的な評価基準は存在しない、という結論であった。ここまで凝縮された表現形態では、確かに”文学として”限界が来ても仕方がないように思う。けれども、その短さこそが、誰にでも親しめる表現形態として間口を広げていることも確かで、なくなって欲しくないなと思った。2014/08/03
みんさね
1
近世編の和歌、俳諧よりは知った作者、歴史だったので助かりました。制限された字数での表現上、評価のあり方の難しさの記述に感心。個人的には自由律俳句、放哉、山頭火が面白いんですが、ああなってくると正に『短詩』ですね。2012/08/12