内容説明
生命の本質を理解するには、分子生物学の成果を基盤とした「システムとしての生命」の理解が不可欠。システムバイオロジーの提唱者、北野宏明氏が、生命の「ロバストネス(頑健性)」原理、脆弱性とのトレードオフ、進化との関係をわかりやすく伝える。癌の予防や治療、人工的にロバストなシステム(会社)を構築する方法論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蘭奢待
24
内容はあまり深くないわりに専門用語が多く、分かりにくさを演出している感がある。ロバストネス、多様性、柔軟性、冗長性というところに焦点をあて、ITシステム、工学の世界から入り経営学、生物学と展開してゆく。ロバストに対するフラジャイル、脆弱性という概念も説明。ロバストネスを向上させると必ずフラジャイルな点が出てくるとの論理。まあ当たり前といえばその通りで、ある点に特化し過ぎると弱点は強調されるもの。癌をはじめとした生命活動、細胞や蛋白質の動きの説明が本題。2018/11/25
キジネコ
23
21世紀EVCafeで興味を持って読了しました。理解がまるで届かない いいとこ20%・・ でも面白い。 その面白さを皆さんに伝えたかったけど おいらの知の力と言葉では 及びません ごめんなさい m(__)m 宇宙から単細胞生物まで進化と共存の様子や仕組みを眺めたり 本来持ってる強靭性の解析から脆弱性の克服にも挑戦しようと思考する。「変化」と「ロバストネス」謎の言葉の意味を探す チョッとした旅のような 読書体験でした。オイラを悩ます寡黙な悪魔が 実は もしかすると ホントは神様なのかも・・・ (o^^o)2013/05/30
モッタ
14
★★★★★ 生物をシステムとして捉え、「生命とは何か」を問う。”生命とは動的平衡である”と福岡伸一さんは著書で書かれていた。北野宏明さんはロバストネスという考え方を用い、それが進化や生存の鍵を握っていると説く。ロバストネスとは簡単にいってしまうと、強靱性だ。イメージとしては「しなる」状態の印象を受けた。生命とはしたたかなものである。2012/03/23
ラーメン小池
2
ロバストネス(頑健性)とフラジリティ(脆弱性)のトレードオフの問題は企業で言えば過剰適応することで利益を最適化できる一方で、情勢の変化に対応できないことに通じると考えることができる。生命について、一見無駄に見える冗長性の存在が重要であることも、企業の人材にも当てはまるとも考えられる。DNAなどを基にした生命論から一歩離れて、腸内細菌などとの共生による自己拡張型の進化論など、新しい見方を提供してくれる。科学に興味がある方だけでなく、社会構造や企業・組織論に興味がある方にこそオススメ。2014/02/08
やす
1
よくわからなかった。2025/01/22