内容説明
「死ぬまで原稿を書いてあげるから」という火野葦平の励ましにより、佐々木久子が孤軍奮闘、独力で刊行し続けた雑誌『酒』。一滴も飲まないのに酒席を好む川端康成の名人芸、高見順お得意の「ローソク病」の話…。同誌の中から、各界の人々が作家との酒縁を綴った三十八本のエッセイを収録する。
目次
1 文豪の酒
2 作家の酒
3 評論家・学者の酒
4 詩人・歌人の酒
5 剣豪作家・推理作家の酒
6 流行作家の酒
著者等紹介
浦西和彦[ウラニシカズヒコ]
1964年、関西大学国文科卒業、86年『日本プロレタリア文学の研究』で文学博士。著書に『著述と書誌』全四巻など。関西大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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冬見
15
昭和25年から平成9年まで刊行された雑誌『酒』に寄稿された、文学者の酒についてのエッセイをまとめた一冊。下戸から酒豪まで、さまざまなタイプの作家たちの酒エピソードについて語られる。酒場でミルクセーキを頼むほどの下戸でありながら酒のたしなみを弁える「君たちは一軍半──大宅壮一先生のこと」、気焰を上げる太宰一派の中でもニコニコ普段どおりの「最後の鍋焼きうどん──亀井勝一郎先生のこと」、べろべろ天才詩人「中原中也の酒」が印象に残っている。作家を直接知る人の文章が殆どなせいか、描写が生き生きとしていて良い。2018/06/24
インフルエンザ未遂(田仲風太)
8
案外酒は飲まない筈ではないが、私は飲み喰らう何気ない仕草に無性に惹かれてしまう。 作家文豪言えども引きずり、夜更けに呑み明かす激しい酒乱ののたれ死ぬ情に やるせない夜更けの日中。昼頃から着せれない冴えない渡り行く堕落論に 知らぬ顔の主観の泥酔感です。谷崎潤一郎何気に日本酒や熱燗呑んでそうだな。2019/01/15
勝浩1958
4
今より相当に質の悪い酒を飲んでいたことは間違いのない事実であり、作家たちは訳あって飲んでいるのだから、よけいに切なさを感じてしまう。 私は酒を、料理を引き立たせるために飲むものと決めています。 若山牧水の「人の生にたのしみ多し然れども酒なしにして何のたのしみ」は、まったく同感であります。2012/07/20
tkm66
1
軽い読み物2012/05/30
ひとえ
1
面白い2018/10/03