内容説明
食事に誘われたのに自分で予約をとらされ、身勝手で一方的な原稿依頼を受けそうになり、旅行が苦手なのに旅に出て―。「非常識な奴が嫌いだ」「対談下手」「だんじりみたいなファイト」「文学と音楽の狭間で」ほか、大人の味のエッセイ集、苦み走って好調第六弾。
目次
職業・肩書の表記についてのご提案です
ナイーブな奴らを鍛えようとして
非常識な奴が嫌いだ
「ご理解」されたい
悲しみのアンジー、苦しみのレジャー開発
自慢の随筆
猿の踊り子
対談下手
いつまでたってももさい奴
リテラ・シン子の滅亡〔ほか〕
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
作家、ミュージシャン。1962年大阪生まれ。高校時代より町田町蔵の名で音楽活動を始める。97年に処女小説『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2000年には「きれぎれ」で芥川賞を受賞する。01年詩集『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞、08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ワニニ
42
町田康は真っ当な人間。真っ当過ぎて、突き抜けちゃっている感がくくくっと笑える。で、世界の奴隷なんだけど、こんなに自由な奴隷もいない。束縛の中の自由は果てしなく広がり、その頭の中を垣間見た時、私はちょっとドッキリする。大雪だ大雪だと信じ込まされ、オイルヒーターに直に座って、これを読んでいたら、くくくっとかドキッとかしながら、6分間に4回も本を落とし、落とした音にビックリする行為を繰り返していた。その話をさっき非通知で電話していた夫に話したら、「掛け直して来ねーなー」と言われた。町田康も夫も長生きすると思う。2015/02/06
Y2K☮
30
このくだらなさがありがたい。楽しい時間を過ごせたら決して無駄ではないし、本当にくだらないだけだったら本になっていない。栄養価が乏しくても駄文ではない。たとえば構成。ネタを笑えるのはそれらの間に入る前振りがしっかりと構築されているから。日常の中でついスルーしがちな何かを的確な言葉に落とし込んで売り物にする技が確かなのだ。リアル錬金術。しかも毎度同じパターンというわけでもない。少なくとも私は一度もマンネリとは感じなかった。素晴らしい。褒め過ぎました。そこまででもない。でもやっぱりまた読みたい、このシリーズ。2020/07/10
おいしゃん
29
町田さんはとても好きなのだが、こんなシリーズがあったとは知らず、とりあえず置いてあった6巻から読み始める。 短編エッセイ集の形を取っているが、それぞれ4行目くらいから町田ワールドに引き込んでくれて、期待通り。2021/04/04
ふう
17
本の内容とは関係のない話ですが。友人に町田氏の『告白』『外道の条件』を薦めたところ気に入ってくれたようで、遊びの好きな友人はそれから町田調の文体でメールをくれるようになりました。 ?と思うような文があって、遊びの下手なわたしは「(読み取るのが)面倒。」と返信してしまい、交友が絶えてしまいました。 もちろん町田氏の責任ではありません。それに、面倒な部分もあるけど、町田氏の作品は好きです。2012/09/29
水色...
8
★★★★★これもオフ会に持って行こうと思い読んでいたが読了が間に合わず、今。突き進み方が非凡でパンク。町田康のエッセイは面白い。2013/03/19