内容説明
日露戦争の後におこった自然主義運動。そしていまなお読者をひきつけてやまない夏目漱石、森鴎外、白樺派の同人たち。近代小説の形成と発展を描く。
目次
自然主義
夏目漱石
森鴎外
白樺派
著者等紹介
キーン,ドナルド[キーン,ドナルド][Keene,Donald]
1922年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学、同大学院、ケンブリッジ大学を経て、53年に京都大学大学院に留学。現在、コロンビア大学名誉教授、アメリカ・アカデミー会員、日本学士院客員。文化功労者。勲二等旭日重光章受章。菊池寛賞、読売文学賞、毎日出版文化賞など、受賞多数。2008年文化勲章受章
徳岡孝夫[トクオカタカオ]
1930年(昭和5)大阪に生まれる。京都大学文学部英文科卒業。米シラキュース大学大学院留学。毎日新聞記者。『五衰の人―三島由紀夫私記』で第10回新潮学芸賞受賞。その翻訳活動により第34回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
19
自然主義・漱石・鴎外・白樺派。ここまで時代が下ると知っている&既読の作家が多くて楽しい。個人的にはもっと倉田百三に触れてほしかった。あと漱石派・鴎外派というふうに読者の好みが分かれるというのには首肯。読んでいる間非常に充実した気持ちになれた巻だった。やっぱり古い本は好き。2012/04/06
ken
4
自然主義、漱石・鴎外、白樺派、プロレタリア。客観的リアリズムを徹底した自然主義の中で「神秘的半獣主義」という自身の哲学を決然たる態度で主観的に作品化する岩野泡鳴はもはや浪漫主義でしょ。楽観的な人道主義で人間の苦悩の「く」の字も知らないぼっちゃん集団白樺派の中で、自己欺瞞を捨て自己の罪悪と徹底的に向き合った果てに自殺した有島武郎ももはや浪漫主義でしょ。芸術性とは無縁でアジプロを第一義とするプロレタリア文学の中で、アジプロ要素が薄く芸術的に優れた作品を残したという黒島伝治もどうなのよ。積ん読本が増える増える。2017/04/17
tieckP(ティークP)
3
近代日本文学のピークと言える自然主義・漱石鷗外・白樺派を扱った一冊。自然主義は態度が多様とは言え結局は主義との関係性においてのみどの作家も価値を持ち、逆に白樺派は互いに文体に影響を与えないレベルの個性が意味を持っているのが分かる。白樺派でも有島の(しかも作風というより)人生に頁数を割いているのは、ほかの白樺派についてはその内実が単純に説明できるということだろうな。確かに武者なんか僕は好きだけどバカに単純だし。漱石の長編について全作に個人としての価値判断を下しているところは評論家としての気概を感じて良い。2018/09/07
もだんたいむす
3
みんな大好き、夏目漱石。★★★★★2017/03/19
fantamys
2
えっ、あれっ、ってなるところもあるけれど、やはり異邦人でありながら各時代を通して冷静な目で批評、解説できるこの人は凄い2024/02/25