内容説明
出世、単身赴任、職場での人間関係、かかあ天下…現代に生きるサラリーマンが直面する難問は、江戸時代にもすでに存在していた。元禄時代のサムライたちは、いまと変わらぬ管理社会で生き抜いていくために、どのように知恵を絞ったのか。サムライ=企業戦士の哀しき処世法入門の書。
目次
武道初心集を読む
「士法」の章
「陪従」の章
「奉公」の章
「治家」の章
「択友・交誼」の章
「倹嗇」の章
「臣職・聚斂」の章
「大口悪口」の章
「武士・仮威窃威」の章
「懈情」の章
「文雅」の章
著者等紹介
神坂次郎[コウサカジロウ]
1927年和歌山市に生まれる。作家。戦後、俳優座演出部など演劇関係を転々、小説の世界に入る。82年、『黒潮の岸辺』で第二回日本文芸大賞、教育映画『南方熊楠―その人と生涯』で文部大臣最優秀賞を受賞。84年、『元禄御畳奉行の日記』がベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
onasu
2
時代ものというと、江戸後期を舞台にしたものの多い中、元禄期の武家の四方山話しが読めたのは、よかったです。 世が落ち着き、経済、文化が発展する一方、武家の金蔵が乏しくなり始めたのが、元禄期です。諸物価高騰にも関わらず、武家の収入は増えないのですから、懐具合は悪くなる一方。そんな中、武家はゼロサムゲームでの出世を競っていく訳で、そこに悲喜劇があり、マニュアル本として、本書の種本ともいうべき、「武道初心集」があります。 題名通り、江戸も中期以降の武家社会は、閉塞期した現代の宮仕えと共通点が多そうです。2011/06/28
茶々太郎
1
「武士などというものは現代のサラリーマンと変わりがなかったのだよ」という内容なのだが、あまりに俗気がありすぎてつまらん。単なる「かつての処世術読本」を現代に置き換えても、ロマンも諧謔も感じられないわな、そりゃ。2016/07/31