内容説明
閉塞状況にある現在の日本で振り返るべきは、第一の開国すなわち明治維新と言える。明治の日本を思想的にリードした福沢諭吉は、日本をどうしたいと考えたのか。福沢のビジョンと方法を、「独立自尊」の精神を貫いた波瀾の生涯を追いつつ明らかにする。
目次
中津時代
緒方塾
アメリカに行く
ヨーロッパを知る
『西洋事情』
慶応義塾
『学問のすゝめ』
『文明論之概略』
維新のリーダーと福沢諭吉
「国会論」と十四年政変
家庭と日常生活
朝鮮問題
内閣制度の創設と条約改正
初期議会と日清戦争
晩年と死
福沢諭吉と伊藤博文
著者等紹介
北岡伸一[キタオカシンイチ]
1948年奈良県生まれ。71年東京大学法学部卒業。76年同大学院法学政治学研究科博士課程修了。法学博士。プリンストン大学客員研究員、立教大学法学部教授などを経て、東京大学法学部教授。2004~06年国連次席大使。専攻は日本政治史。主な著書に『清沢洌』(中公新書、サントリー学芸賞)、『日米関係のリアリズム』(中央公論新社、読売論壇賞)、『自民党』(中公文庫、吉野作造賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kazutoshi
2
福沢諭吉を見たことない人はおそらくいないだろう。多くの伝記があるから知らない人も少ないと思う。ただ思想家福沢を理解するのは正直難しい。本書は一流の政治学者が思想家福沢諭吉を政治史の文脈の中心として分かりやすく福沢を描いてある。また補論として「福沢諭吉と伊藤博文」が加えてあり、そこでは政治家伊藤と知識人福沢との関係が描かれている。本書では子供が読む偉人福沢諭吉ではなく後世に影響を与えた思想家福沢諭吉の生涯を読むことができる。2012/03/06
日々珠
1
私は一人暮らしに10年以上憧れ、反対されていた。
熱東風(あちこち)
0
北康利氏の小説(というかエッセイ?)を読んで、福沢に対する理解を深めるため、再読。/北氏の本が福沢の生涯をたどったものに対して、本書はそれに福沢の著作を絡めて思想的な面から福沢という人物像を浮き上がらせようという構造になっている。自分にとってはこの両氏の作品がいい具合に補完しあって、より福沢のことを学べたと思う。これをきっかけに今後も少しずつでも福沢のことを知っていきたい。/補論はむしろ福沢論というより、伊藤博文という政治家についての講演のようだ。ここだけを読むと、むしろ福沢より伊藤に興味が湧く。2016/10/02
熱東風(あちこち)
0
近代史の中で、盛名の割にはその偉大さがいまいち小生には理解できない人物の一人。それ故にこれまで福沢の著書を読む意欲が湧かなかったが、本作を書店で発見して一も二もなく購入した。著者買いである。北岡氏の作品は数冊読んだことがあるが、小生の如くあまり知識もなく理解力も劣る者にも分かりやすく書いてくださるので助かる。この本も然り。きっと著者が北岡氏でなければ買ってなかったであろう。それでも福沢のことを完全に理解したと言い切れる自信はないが、少なくとも『食わず嫌い』は克服出来たように思う。2014/10/04
linbose
0
★★★★★2014/02/28
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