内容説明
自殺と見えた密室からの女性の墜落死。向かいのマンションに住む少女は、犯行時刻の部屋に男を目撃していた。少女に迫る、犯人の魔の手…また、同時刻に別の場所で起こった殴殺事件も同一人物の犯行とみられ―。衝撃の密室トリックに貴島刑事が挑む!本格推理+怪奇の傑作、貴島シリーズ第二作。
著者等紹介
今邑彩[イマムラアヤ]
1955年(昭和30)、長野県生まれ。都留文科大学英文科卒。会社勤務を経て、フリーに。1989年(平成元)鮎川哲也賞の前身である「鮎川哲也と十三の謎」に応募し“十三番目の椅子”を『卍の殺人』で受賞。以降、推理小説を中心にホラーなどを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
308
久し振りに読みました今邑彩さんの第4作は、あとがきを読むと「どえらい苦労をしました労作です」との事で、今回も鮮やかなトリック・意外な犯人・異常な犯罪動機と三拍子揃った本格ミステリーの傑作で、3回ものどんでん返しが味わえる推理マニアも大満足の一冊ですよ。著者は読者を200%満足させるサービス精神の持ち主で、きっと自分にも厳しく何が何でも並の水準作では終わらせない完璧主義者だったのでしょうね。若い女性の墜落死は現場が密室だった為に自殺と見られたが同時刻に向かいのマンションの少女が双眼鏡で男の姿を目撃していた。2022/02/05
しんたろー
193
貴島刑事シリーズ第2弾。「怪奇と推理の融合」という、このシリーズの狙いとしては1作目に及ばないが、不可解な墜落死~女子大生連続殺人事件はワクワクする謎を盛り込んで本格モノの楽しさを味わえた。丁度良い長さの章立てでテンポ好く進むし、二転三転する終盤の展開も巧い。更に主人公・貴島の過去が描かれたり、相棒になった刑事・西山のキャラ設定が良かったり、読者を惹きつける工夫があって満足できた。著者が後書きで語っているようにエピローグは賛否両論あるだろうが、本シリーズならではの「お愉しみ」と思えた。第3弾も期待したい♬2020/10/27
hideko
95
貴島柊志シリーズ第2弾。 密室からの女性の転落死。向かいのマンションから足の不自由な少女が男性を目撃していた。他殺か?同時刻別の場所で起こった女性殴殺事件。連続してそのルームメイトの女性も殺される。犯人の目的とは? ほう、なるほど過去の事件がそう繋がってくるか。 しかし、このおばさんは病んでいるな。 善良に見える人物の中の闇って、怖い。 貴島の過去がチラチラ出て来るがミステリアスな人物だ。 2017/09/24
yukision
87
貴島シリーズ2作目。同時刻に同一犯と思われる殺人事件が起こる。犯人らしき人影を目撃したのは向かいのマンションに住む車いすの少女。映画『裏窓』が効果的に使われ,次々と回収されていく伏線や全く飽きることのない展開で一気に読んだ。2022/03/13
アッシュ姉
83
警視庁捜査一課・貴島柊志シリーズ第二弾。怪奇と本格推理が見事に融合していた前作と比べると、オカルト要素はかなり控えめでミステリ色が強い。二つがいまひとつリンクしていないので、あのアイテムはむしろ要らなかったかな。今邑ホラーファンとしては、ちょっと物足りなさを感じましたが、今回も綺麗に騙されて、見事なトリックに感嘆いたしました。私が担当刑事なら、間違いなく事件は迷宮入りだわ。次作も期待!2016/02/29
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- 和書
- 山口瞳対談集 〈3〉