内容説明
情熱、この悲劇的で、しかも最も喜劇的なもの―。歴史上の人物の魅力を発掘したエッセイを、古代から明治まで、時代別に集大成。第四巻は新選組や河井継之助、勝海舟らを中心に、動乱の幕末に向けて加速する歴史のなかの群像を描いた二十六篇を収録。
目次
ご先祖さま―藤沢東〓(がい)/藤沢南岳/菊池五山
ふと幕間に―華岡青洲
洪庵のたいまつ―緒方洪庵
海舟についての驚き―勝海舟
男子の作法―石黒忠悳
六三郎の婚礼―山内堤雲
武四郎と馬小屋―松浦武四郎
黒鍬者―江原素六
鋳三郎と楊枝―江原素六
芥舟のこと―木村芥舟〔ほか〕
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
大正12年(1923)、大阪に生まれ、大阪外語大学蒙古語学科を卒業。昭和34年『梟の城』により第四十二回直木賞を受賞。42年『殉死』により第九回毎日芸術賞、51年『空海の風景』など一連の歴史小説により第三十二回芸術院恩賜賞、57年『ひとびとの跫音』により第三十三回読売文学賞、58年「歴史小説の革新」により朝日賞、59年『街道をゆく 南蛮のみち1』により第十六回日本文学大賞(学芸部門)、62年『ロシアについて』により第三十八回読売文学賞(随筆・紀行賞)、63年『韃靼疾風録』により第十五回大佛次郎賞を、それぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
53
司馬遼太郎の著作の中から、歴史上の人物にスポットを当てたものを編んだ作品集。本巻は新選組を中心に幕末の人物が取り上げられている。一つ一つの章は短いものの、やはりそこは司馬遼太郎、情報量が半端ない。司馬著の作品に出てくる人物ばかりなので、一通り司馬遼太郎の作品を読んだ後に読むのがお勧めか。★★★★☆2016/11/15
AICHAN
42
図書館本。緒方洪庵の適塾の訓戒の第一条は「医者がこの世で生活しているのは、人のためであって自分のためではない。決して有名になろうと思うな。また利益を追おうとするな。ただただ自分をすてよ。そして人を救うことだけを考えよ」である。この第一条を司馬さんが書いた文章が「小学国語」の教科書に載った。また司馬さんは同じ文章の中に「人間は、人なみでない部分をもつということは、すばらしいことなのである。そのことが、ものを考えるばねになる」とも書いている。多くの小学生が勇気をもらい、自分を律する気持ちになるだろう。2019/01/27
金吾
34
勝海舟、新撰組、河井継之助等維新における人物譚です。江原素六、松浦武四郎、山内堤雲は全然知らない人でしたので興味深い話でした。清河八郎、見廻組、8連隊の話が良かったです。2022/07/19
金吾
30
幕末・維新の話です。作品の後書きもあるので新選組や河井継之助が多いです。清河八郎や見廻組の話が面白かったです。2025/01/13
ふくとみん
25
巻末にある書誌一覧の本は全て読んだはずなのに再読とは思えなかった。あらためて司馬遼太郎の歴史を掘り下げていく熱意に感動した。主役ではない「ある会津人のこと」のほうが余計に時の流れを感じてしまう。2024/10/03
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