内容説明
パリに居座るゲニウス・ロキ(地霊)は、多くの秘密を生む―エッフェル塔、モンマルトルの丘から名もなき通りの片隅まで。数百年の時を経てなお、パリに満ちる「秘密」の香りは遊歩者(フラヌール)を惹きつけてやまない。夢の名残を追って現代と過去を行き来する、瀟洒なエッセイ集。
目次
エッフェル塔
サン=ジェルマンの犬市場
オペラ座のミツバチ
バスチーユ広場の象
セーヌ河岸の古本屋
“植物園”の熊
ゾーン、夢の郊外
ボブール界隈のバブル景気
ケールの女神像
オルセー河岸の水泳学校〔ほか〕
著者等紹介
鹿島茂[カシマシゲル]
1949年(昭和24)年、横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、明治大学国際日本学部教授。専門は、19世紀のフランスの社会生活と文学。91年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りえこ
17
読みやすく、興味深かったです。地下水道の事とか、もっと知りたいと思いました。2017/02/18
Shin
16
こちらはパリ出張の帰りに読了。新聞に連載されたコラムをまとめて本にしたということもあり、行きに読んだ石井洋二郎氏の『パリー都市の記憶を探る』に比べると軽い読み物ながら、少し街を歩いた(ランニングもした)帰りにさらさらと読みつつ旅情の余韻を楽しむには良い本だった。2019/11/16
KF
8
3日かけたかなぁ。フランスには行った事が無いし言語も今季始めたばかり。街についての興味も深く無くフランス語も次回ラグビーW杯だけが目当てなので街にも歴史にもなかなか深入り出来ない。同じラテン語でもスペイン語よりしんどい。スペインにもそれ程は強い関心も無いんだが…せめて各エッセイの解説要素として地図であるとか現地の写真であるとかが掲載されているとぐっと入り込めたのでは無いかとも思ったがその辺も無し。それでいて読者はある程度マニア的興味有りが前提になっている様子だった。今の所、読者として不適切だった。2021/07/10
itosan04
6
ブラタモリにも似た軽い歴史散歩もの。ただしパリでそれをやると非常に興味深いものになる。パリという街の歴史的な厚みは普通ではない。2016/10/26
yendows
5
パリについて殆どしらなかったのですが、散歩しながら、歴史を探るというスタイル、特にジョルジュ・オスマン以前の町を夢想するというのは実際おこなったら、タマらんのだろうな。と思わせてくれた。良い旅行ガイド。2013/05/19