出版社内容情報
警視庁のお荷物部署・失踪課に配属された、酒浸りの中年刑事・高城賢吾。事件を追うことで、徐々にチームとなっていく課員たち。そんな中、大学職員の失踪事案が持ちこまれる。しかし捜査を始めて数日後、自殺を窺わせる状態で発見される。しばらく後に市立大学の学園理事長が失踪したと、母親から失踪課に捜索願が出され・・・。心臓に爆弾を抱える法月が鬼気迫る捜査を見せるが・・・。
内容説明
大学理事長が失踪したと捜索願が出された。しかし捜査を始めると母親の態度は一変、非協力的に。大学関係者も言を左右し、状況は遅々として掴めない。一方、女性の遺体が仙台で見つかり、法月の担当していた大学職員の失踪者だと判明した。胸に爆弾を抱えながら、自分を苛めるように捜査する法月を気遣う高城だが…。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
287
読み終わって、ああぁとタイトルの意味がしみじみしてくる。いくつか腑に落ちない点があるものの、今回は堂場さんにしては、かなり情熱的な事件。登場人物たちのキャラもますます立ち上がってきて、大変よろしい。2017/02/10
Tsuyoshi
64
シリーズ第3作。捜索依頼の取り下げや本人の発見により解決に見えた大学の理事長失踪事案。失踪の理由を追ううちに全く異なる事件との繋がりに発展していく展開。事件以上に心臓に爆弾を抱える法月警部補と弁護士である娘との親子関係をメインとした失踪課の面々のエピソードにて楽しませてもらった。2018/09/22
ゆか
63
失踪シリーズの中ではあまり好きではないかな~。たぶん理法月親父さんの娘さんに共感出来ないから。病気を持つお父さんの為って所は分かるんですが、無茶をしたからって会社の上司をひっぱたくはないと思ってしまった。ま、内心は分かるんですけどね...。あと、失踪理由が少し残念。でも、実際には理由ってこんな風に人にとってはつまらない理由なんでしょうねぇ。2018/06/26
ゲバオ
54
「ハードボイルドの基本は優しさじゃないんですか」警視庁失踪課・高城賢吾シリーズ3作目。今回の事件は私立大学の経営を巡ってのあれこれ。こりゃー面白い!3作目にしてがっつりハマった!事件も捜査もその他人間関係も面白い。今回も読み終わったあとにタイトルが染み入るわー。それに、なになに?この展開は?高城さんにもロマンスがあるのかい?次が楽しみすぎる。あと、最初は憎たらしかった愛美がどんどん可愛らしくなっていくなー。今回は唇の形が可愛いってことも発覚(高城の主観)2017/03/14
GAKU
48
シリーズ第3作。占部の失踪、碧の自殺の真相は?読み終え真実が明らかになったら、ちょっと残念感が。今回はストーリーを楽しむというよりは、失踪課のメンバーが少しずつ纏まってきたのかと思わせるところが、読みどころだったのかな。でもこのシリーズ中々面白いですね。全巻購入済みなので、引き続き読み進めていきます。 2023/05/16