出版社内容情報
今も昔も旅人を虜にするパリ。在仏体験と多彩なエピソードを織り交ぜ、その尽きない魅力を紹介する、ウィットとユーモアに富んだ著者デビュー作。
内容説明
今も昔も旅人を虜にするパリ。60~80年代の在仏経験と多彩なエピソードを織り交ぜ、その尽きない魅力を紹介する。“あの頃のパリ”が蘇る、ウィットとユーモアに富んだデビュー作。パリの好きな人、嫌いな人、これから行こうとする人、行った人、その他すべてのヒマな人、誰が読んでも面白い不朽の名エッセイ。写真・図版多数収録。
目次
1 カフェ(カフェの構造と機能;カフェのメニュー;カフェとキャバレーの履歴書)
2 舗道(舗道のシステム;舗道に生きる人々)
3 メトロ(メトロ;バス;タクシー)
著者等紹介
玉村豊男[タマムラトヨオ]
1945年、東京生まれ。71年、東京大学仏文科を卒業。在学中にパリ大学言語学研究所留学。通訳、翻訳業を経て、文筆業へ。8年間の軽井沢生活の後、91年から長野県小県郡東部町(現・東御市)在住。絵画制作のほか、西洋野菜やワイン用ブドウの栽培、ワインの醸造をする農園ヴィラデストを営む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らむれ
72
パリの泥臭さ、埃っぽさが感じられるエッセイ◎最近の、急速に現代化しつつあるパリではなくて、一昔前のパリが感じられます。とても懐かしくてオモチロイ。私が小さい頃はカフェのトイレにも小銭を取るおばちゃんが座っていたのですが、最近はほぼ見なくなりました。チップ自体がメジャーじゃなくなってる気がする。時代だな~。犬も(糞も)減ったなぁ。ジタンの香り、シロップ割の甘ったるいビール、度が強くてあんまり混ざってないカクテル、洪水みたいな朝の道路掃除、メトロの生暖かい風...好きだけど嫌いなパリ。でもやっぱ好き(笑2015/11/05
奥澤啓
43
玉村豊男は今では長野県東御市にある「ヴィラデスト」というカフェ&ワイナリーのオーナーであり、繊細で色彩感覚豊かな画を得意とする画家として認知している人が多いと思うが、東大仏文科を卒業した秀才である。かつて、「東大仏文黄金時代」という言葉があったのですよ。秀才ではあるがエリート的出世コースなど興味がなかったようで、翻訳や通訳で糊口をしのぐ若き日を送りつつ、フランス留学時代に見聞きしたあれやこれやをまとめた処女作が、この、戦後のパリ本の元祖『パリ旅の雑学ノート』である。エッセイスト玉村豊男の誕生である。2015/02/05
糜竺(びじく)
43
80年代の頃の、フランスのパリの様子の雑学が書かれたエッセイです。フランスを過大評価した本が多かったみたいですが、この本は、ある意味生きたフランス文化を紹介している本でした。ちょっと、今現在のパリは分からないですが、80年代、またそれより前はかなり汚い街だったというのは驚きでした。みんなが平気でゴミを道にポイ捨てし、また犬の飼い主も散歩の時に糞の始末をせず、パリには100万匹の犬がいて、毎日200トンの糞を舗道に垂れ流して、道を歩く時は踏まないよう気を付けるべき事など、マニアックな雑学がてんこ盛りでした。2014/10/06
奥澤啓
41
玉村豊男は東大仏文在学中の1968年にパリ大学に留学した。しかし、68年といえば「五月革命」の年。フランス全土で大学紛争が燃えあがった。パリはその中心であり大学は閉鎖されていた。これが玉村を学徒ではなくヨーロッパの遊学生にした。そして、その経験がのちの食と旅のエッセイストとしての礎をつくることになる。本書はパリの旅行者が眼にするあれやこれやを、やや、ぺダンティックな雑学をおりまぜながら書きこむような文体で綴っていく。これがあたった。この本を手にしてパリを訪れた人は、いったい、どれだけいるだろうか・・・2015/02/06
you
7
40年ほど昔、今ほど海外旅行が気軽なものではなかった頃、カフェやメトロの情報を仕込んだ懐かしい本。当時の興奮を思い出す。この頃は都市毎にシステムが異なっていて、風情豊かであったが、今は、世界中の都市システムが均質化し、スマホでリアルな情報が容易に取得できるので、旅行自体にわくわく感はあまりないのかも。懐かしい思い出。2023/09/30
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