ちくま新書<br> サケマス物語 ――魚の放流を問いなおす

個数:1
紙書籍版価格
¥1,012
  • 電子書籍
  • Reader

ちくま新書
サケマス物語 ――魚の放流を問いなおす

  • 著者名:森田健太郎【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 筑摩書房(2026/01発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480077202

ファイル: /

内容説明

日本には、13種のサケ科魚類の生息が確認されていて、遺伝的にも生態的にも異なる4つの属に分類される。サケマスとひと口にいっても、多様な生物種なのだ。本書はその生活史をたどり、サケの生きる世界の豊かさを示す。そして、サケの保全に寄与したとされる放流の影響を探り、その意義を問う。サケマス研究の第一人者による、サケ愛に満ちた一冊である。

目次

序章/1 東京2020オリンピックが問いかけた環境問題/エコラベル/サケと放流/放流と環境認証/スチュワードシップとマネージメント/2 本書の構成について/第1章 サケマスの暮らし/1 サケとマスの種類/2 サケ、マス、サーモン呼称問題/3 サケ科魚類の生活史/産卵/川での暮らし/さまざまなタイプ/海での暮らし/母川回帰/年齢と繁殖回数/4 回遊多型──海へ行くべきか、行かざるべきか/川で十分に成長できたから?/生活史連続体説/コラム(1) 標識放流の歴史と現在/第2章 人間活動による環境改変/1 ダムによる海川森回廊の分断/ダム遡上障害による種多様性の低下/生活史の変化/魚道という希望/2 川の横の がりの分断/氾濫原と網状流路/氾濫原に依存する絶滅危惧種/3 劣化する河川生態系/放流に頼る理由/コラム(2) 生活史を調べる方法/第3章 もてはやされる放流/1 生き物を放流する社会/種苗放流/2 サケ人工ふ化放流の光と影/20世紀後半のサケ増加要因/沖合漁業の先取り効果/サケ=放流というイメージの形成/3 イベント化する放流/ヒルボーン氏の論文/大人に都合のよい生き物?/観光地化したふ化場で/コラム(3) 食材としてのサケマスの種類/第4章 放流の何が問題なのか/1 放流の効果をどう評価するか/プラスとマイナスの効果/野生魚との置き換わり─環境収容力/2 遺伝的撹乱/サケの移殖放流/非意図的な移殖/取り返しのつかない渓流魚の自然分布/地域への適応/ふ化事業の陰で生きながらえてきた野生サケ/3 ふ化場へ適応する現代のサケ/ふ化場がもたらす進化/適応度の低下/トロイの遺伝子仮説/サムライサーモン/4 病気や寄生虫の伝播/養殖の落とし穴/多くの問題が絡み合うアユの放流/5 放流効果を調べた事例/生物群集にも影響/生態系ベース管理/テムズ川の教訓/コラム(4) 魚をダイレクトに観察する川潜り/第5章 魚とどう付き合うか/1 放流から脱却すべきか?/2 目的に応じた責任ある放流/水産業のための放流/現代にこそ必要な種川制度と漁業管理/生物保全が目的なら、放流ではなく生息環境の再生/生物保全が目的ではない、情操教育としての放流イベント/3 カムバックサーモン運動からワイルドサーモンプロジェクトへ/昭和のカムバックサーモン運動/ワイルドサーモンプロジェクトの始動/順応的管理/ジレンマは終わらない/4 生き様を守る/コラム(5) サケの未来を支える4つのCと脅かす4つのH/あとがき/引用文献

最近チェックした商品