出版社内容情報
俺は、海の限りない大きさを取り戻したい――承平・天慶の乱で平将門とともにその名を知られる瀬戸内の「海賊」藤原純友。夢を追い、心のままに生きた男の生涯を、大海原を舞台に描く!
内容説明
承平・天慶の乱の首謀者として将門とともにその名を知られる瀬戸内の「海賊」純友。海の民を率い、ついに朝廷の水軍との対決が!夢を追い、心のままに生きた男の生涯を描く歴史巨篇。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年、佐賀県唐津市に生まれる。73年、中央大学法学部を卒業。81年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、84年『檻』で日本冒険小説協会大賞、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『武王の門』を発表し歴史小説にも進出、91年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、2004年に『楊家将』で吉川英治文学賞、06年には『水滸伝』で司馬遼太郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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眠る山猫屋
52
藤原純友が最後に願ったもの・・・。坂東で平将門が新皇として立ち、そして滅びた後、純友は海賊として誅滅された。が、本書では・・・。海に生き海を制した純友が、ただ自由を望み中央政権に(のらりくらりと)立ち向かった顛末。北方節としては異色なほど戦わない。いや、戦い続けていたのだ、見えないところで。しかも時代に流されながら、確固たる目的もなく!いや、褒めている訳で!とにかく縛られたくない男が縛ろうとする権力に抗う物語なわけで!最後の最期に太宰府に突入し、藤原良平に啖呵を切って旅立っていく流れは鳥肌モノでした。2019/08/16
はらぺこ
31
藤原忠平・良平兄弟や大宰府水軍に脅威というか何というか魅力が無いので少し退屈でした。純友が凄過ぎるんかなぁ?2011/06/15
フミ
18
平安・中期に乱を起こした「藤原純友」を題材にした小説の下巻。相変わらず、オリジナル要素が強い…(^^; 歴史通りの乱に入るのは、かなり後半で、前半50頁程で「勝手に動き過ぎる。藤原北家に損だ」と、伊予国の役人を解かれてからは、藤原一族として無役で過ごしながら、水面下で藤原北家への海賊活動、外国との交易と、勝手に海上勢力を広げていく…なんだか「獅子心中の虫」という感じで、好きでは無いなぁ…と、我慢しながら読んでいましたが、最後の最後に「やりたかったこと」を知って、苦笑いしつつ、許せてしまう感じでした(笑)2022/11/01
フク
15
#読了 官職を召し上げられた純友は一人の水師として海を奪う戦をはじめる。 本書での純友の反乱は自由を求める闘争であり、 海賊らしくてとても良い。 〈自分がどうなろうと、縛ろうとするものとは闘う。たとえそれが、京の政事であったとしてもだ。〉 〈敵は、左大臣忠平〉 kindle再読2024/12/22
浦
13
藤原純友と太政大臣忠平との戦い。最期はこんなに夢のある終わりかただったとは。これが「波王の秋」の後半のあの一族に繋がるのか!爽やかだった。2018/03/24