出版社内容情報
ローマからの逃走か破壊か――圧倒的な実力と美貌を誇る剣闘士奴隷スパルタクスが自由を求めて立ち上がった。それはローマ軍との苛烈な戦いの始まりであり、奴隷軍壊滅の序曲でもあった。
内容説明
「スパルタクス、おまえにも先頭をきってもらいたい」仲間の求めに応じスパルタクスは起った。寄せ集めの集団は、やがて奴隷解放の旗印を掲げる反乱軍としてイタリア本土を席巻する。だが、世界最強を誇るローマ軍の反撃が始まらんとしていた―!ローマ帝国に叛いた男を描く歴史大活劇。
著者等紹介
佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年「ジャガーになった男」で第六回小説すばる新人賞を受賞。以後、『傭兵ピエール』『赤目のジャック』『双頭の鷲』など西洋歴史小説を次々と発表。98年東北大学大学院文学研究科を満期単位取得し、作家業に専念。99年『王妃の離婚』で第一二一回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
283
ローマの奴隷、剣闘士で一番人気のスパルタクスは仲間と図り養成所から脱出する。大将に祭り上げられ迷いが始まる。誰のための戦いか。自分のためか、剣闘士仲間のためか、それとも集まってきた脱走奴隷たちのためか。他にも迷いは尽きず戦いに勝っても心は晴れない。自分は、付き従う奴隷たちを故郷へ帰すべきなのか、誇り高き剣闘士らしい戦いができているのか。ローマを征服する事を望んではいない。剣闘士としての人生しか知らないスパルタクスは、誇り高い戦い様を世に示すことくらいしかできない。奴隷としての劣等感は最後まで付き纏う。2025/10/29
優希
74
面白かったです。世界史を学んでいたので、スパルタクスの反乱はザックリと知ってはいましたが、改めてその動きを見直した感があります。ローマ帝国に背き、剣奴として生きたその生き様は、ただ強いのではなく、弱く悩み抜いた姿も見ることができ、とても興味深く読めました。暗い部分が浮き彫りになっているような気もしますが、それも含めて剣闘士として世界史に名を馳せたのだと思わずにはいられません。2018/04/29
眠る山猫屋
39
再読。カエサル以前のローマ帝国、剣闘士スパルタクスの乱を描く。 実は学生時代の恩師がスパルタクスの世界的な権威だった。授業を思い出すに、実に精緻に描かれている。転戦のやむを得ない理由とか、海賊に裏切られた事とか、ね。勿論、物語としても面白く、剣奴としてしか生きられなかった男の悲運が、弱体化しつつあったローマ共和制に穿った穴は浅くはなかったのだろう。2013/05/08
ehirano1
33
読んだ・・・・・いつの日かまた。2017/03/04
rosetta
22
やはり佐藤賢一は面白い。あと読んでないのは何冊あるだろう?2020/11/22
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