出版社内容情報
鎌倉時代から幕末、そして現代へ――。渋谷・道玄坂界隈で出会った十七歳の男と女の愛の輪廻をたどる、時空を超えた再生の物語。〈解説〉渡辺 保
内容説明
愛とはつまるところ約束なのだ。それも再び逢うという、ただそれだけの約束なのだ―承久年間から幕末、現代へ、渋谷・道玄坂で出会った十七歳の男と女の愛の輪廻をたどる、時空を超えた再生の物語。
著者等紹介
小林恭二[コバヤシキョウジ]
1957年兵庫県西宮市生まれ。東京大学文学部卒業後、本格的に小説に取り組む。84年「電話男」で第三回「海燕」新人文学賞を受賞。「迷宮生活」「小説伝・純愛伝」「ゼウスガーデン衰亡史」と話題作を発表、「小説伝」は第九四回芥川賞候補に、「ゼウスガーデン衰亡史」は第一回三島賞候補となる。98年「カブキの日」で第一一回三島賞を受賞。2005年より専修大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サラダボウル
13
東京、渋谷。川、谷、坂の名が多いこの地には、かつて大和田道玄という盗賊がいた。鎌倉時代の和田合戦で和田につき、武蔵の地での戦いでは土地の利を活かして生き残った。のちに、道玄は二人の娘を失い‥。その地には、恋に破れた者を救う寺ができた。鎌倉、幕末、現代と因果が巡る。恋って、なんだよー!!その若者らしい叫びが、渋谷の町に響いたような。2023/07/16
九鳥
4
すごく満足。ファンタジーのような恋愛小説のような時代劇のような不思議な物語。歌舞伎の狂言みたいにケレン味と人情と悪と異形と因果がちりばめられてておなかいっぱい。2008/12/15
バッカス
3
誰かの書評にインスパイアされて読んだ本。河竹黙阿弥、歌舞伎、現代人タイムトリップって、著者のおはこなのね。岩波新書にこの展開で、三人吉三を解説したものがあり、とても興味深く読んだ。河竹黙阿弥を登場人物にしているところは、進化か。2020/01/12
justdon'taskmewhatitwas
2
「何で芝居の台詞っぽいの?」「小林恭二だから」「何で江戸もの仕立てなの?」「小林恭二だから」「何で恋愛拗らせてんの?」「小林恭二だから」「何でこんなに面白いの?」「小林恭二だから」2017/03/12
YH
2
いのうえ歌舞伎みたい。劇団新幹線が渋谷のパルコ劇場で上演したらきっととてもよいと思う。2009/01/18
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