中公文庫
敗者の条件 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122048188
  • NDC分類 210.47
  • Cコード C1121

出版社内容情報

『アーロン収容所』で知られる西洋史家が専門のルネサンス史の視点からヨーロッパ流の熾烈な競争原理が支配した戦国武将を描く。〈解説〉山崎正和

内容説明

英軍の捕虜としてアーロン収容所で強制労働に服した西洋史家が、専門のルネサンス史の視点から、ヨーロッパ流の熾烈な競争原理が支配した戦国時代の武将たちのタイプやその行動を分析、考察する。

目次

序章 戦国時代とルネサンス
第1章 闘争の宿命を負う者(宿敵としての親子兄弟(斎藤道三、義竜)
覇者の子(織田信雄・同信孝))
第2章 闘争世界の敗者(一匹狼に徹しなかった者(イル・モロ、斎藤道三)
最後の賭をためらう者(サヴォナローラ)
覇者の出目にこだわる者(佐々成政、滝川一益)
欠点のない者(蒲生氏郷)
慈悲心のある者(高山右近)
武勲をたてすぎた者(ヴァレンシュタイン)
自己の世界に徹する者(千利休)
性に執着する者(ルクレツィアとその夫たち)
後進地域にいた者(武田信玄、同勝頼)
先進地域にいた者(松永久秀)
ある勝者(黒田孝高))

著者等紹介

会田雄次[アイダユウジ]
1916年(大正5)京都府に生まれる。40年(昭和15)、京都帝国大学史学科卒業。43年(昭和18)に応召、ビルマ戦線に送られ、戦後二年間、英軍捕虜としてラングーンに抑留された。帰国後、神戸大学、京都大学(人文科学研究所)をへて、京都大学名誉教授。専攻はイタリア・ルネサンス史。97年(平成9)、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

104
西洋史家である会田雄次氏が、同時代であるルネサンスと戦国時代の敗者を描く。あわせて西洋と日本の文明の対比もなされる。僻地に生まれた武田信玄。天下を望むも倒れる。そこには、自身の多才さによる時間の浪費や、金銭による直属軍ではなく支配地域の武家の盟主であり、軍事活動に機動性が欠けた等がある。徹底した合理主義者である織田信長との対比は既読感もある。それは本書の出版された昭和50年代からの通説である為であろう。作品の醍醐味は同時代の西洋を描き、文明の差異を知ることか。自由競争の恐ろしさを知る。読み返したい作品。2021/02/06

デビっちん

24
再読。タイトルが秀逸です。勝者ではなく『敗者の条件』です。強固なバックグラウンドや実力を持ちながら、敗者になってしまった。その要因を見出すことができれば、成功の可能性が高まります。その要因を侵さず、逆をやればいいんですから。かの名監督である野村克也氏も、「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」と言っていますしね。2018/08/24

デビっちん

21
勝者の影に敗者あり。なぜ成功できたかという本は溢れているけれど、敗者を特徴的に捕らえている本は少ない。捕虜となった経験がある著者だから見出だせた敗者の分析。性に執着するのはもちろん、勝ち続けても、頭が切れすぎてもダメである。強みを推し進めていくことは大切であるが、一方で、反対側にある体験を知っていなければバランスが悪くなる。みんなが見ていない見方をしてみたら、何が見えてくるだろうか?2015/07/06

ひろ☆

16
決断、強い意志。勝者と敗者を分けるポイント。戦国時代、身内間(親、兄弟)の争いで殺されることが多いのはきついね。2014/01/10

はふ

11
戦国時代。各地域で権力を持ち、さらなる力を追い求めた武将たちが最も恐れたのは、ライバルである他の武将ではない。兄弟や親戚といった身内であった。たとえ血が繋がっていようと、いや、身近にいるものだからこそいつでも寝首をかかれる危険があった。 時代によって成功法が変わるというのは、本書において鍵となる主張だ。戦国時代はコツコツ努力して力を蓄える暇などなく、瞬間的な決断力が現代よりも必要とされた時代だった。時代によって必要となるものは変化する。変化に取り残されぬよう、私たちは勇気ある決断を下していかねばならない。2021/09/02

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