出版社内容情報
永久平和と民主主義なる甘い言葉と引き換えに日本人の「誇り」を扼殺し、憲法第九条の中に埋葬したマ元帥。その占領政策を米側の極秘資料を駆使して解明。
内容説明
アメリカによる「占領」は未だ終わらざる日本の惨敗物語だ。米政府の極秘資料をもとに、占領政策の欺瞞を暴き、日本人の変節を問う。平和と民主主義の代償として憲法第九条の中に埋葬された日本人の誇りを取り戻すために、いま明かされる「占領の真実」。
目次
第1部 誇りの埋葬(「無条件降伏」の裏側;占領独占;「精神を破壊せよ」;マスコミ・報道の自由;「マッカーサー直筆」憲法)
第2部 戦後の悲劇「平和教育」(教育勅語;民主主義か、餓死か;アメリカ教育使節団(マッカーサーの応援団))
第3部 終わらぬ「戦後」の始まり(レッドパージ(赤狩り)
平和条約)
著者等紹介
西鋭夫[ニシトシオ]
1941年大阪に生まれる。岡山県に疎開。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。同大学院博士号取得(国際政治・教育学博士)。アラスカ半島サケ缶詰工場(イクラ製造)やJ.Walter Thompson広告代理店に勤務。77年よりスタンフォード大学フーバー研究所Postdoctral Fellow。日本大学大学院教授、フーバー研究所研究教授
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感想・レビュー
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yoshida
97
対米戦争に敗れた日本。敗戦から5年間、日本はマッカーサーに支配された。彼に与えられた権力は絶大で、日本は解体され彼の望む國へと洗脳された。結果、日本は無責任な、覚悟の無い国となる。戦争の原因は有耶無耶となり、空虚な一億総懺悔という言葉が歩く。自国を守る軍を持たない。愛国心もタブーとし、公よりも私に偏った教育をする。学校では日本史や地理も選択となる。この不可思議な状況に気付かず、修正や変更も出来ない点に今の日本の異常さがあろう。自国のことに責任と覚悟を持つ。対米従属ではなく自国を大切にする覚悟が求められる。2022/02/06
Miyoshi Hirotaka
34
泳ぐ魚の群れに石を投げれば、魚は逃げ惑うがそのうち何事もなかったように泳ぎ回る。わが国の近現代史では、黒船、先の大戦と二度大きな石が投げ込まれ、波紋は今も続いている。戦闘終了後も文化侵略という武器なき戦争が続けられた。それは、民主主義、平和教育の美名に隠れた徹底した歴史の書き換え。無防備が最高の武器と夢見たが、共産主義との戦いで破られた。いまだにその夢から覚めないのはわが国だけ。二千年の国史を犠牲にして亡国の憂き目を見る必要はない。歴史に夢を活かし、夢に歴史を持たせるため自らの力で占領の呪縛を断つべきだ。2016/03/10
Emkay
20
終戦後、マッカーサーが入国してから朝鮮戦争中トルーマンに更迭されるまでの占領政策を史料を交えて解説。大変面白い題材で、レッドパージ等知らなかった事実も紹介されているのだが、とにかく著者による、マッカーサーによって日本が魂を抜き取られたという忸怩たる想いがほぼ全編に渡って滲み出ており、もはや歴史書とは言えないくらいやかましい。 乱暴な言葉遣いと単純思想に共感できなかった。むしろ、米ソ英による日本分割統治の構想が回避された経緯や、警察予備隊発足における吉田首相の強かさ等、掘り下げて欲しい部分は多々あった。2020/09/26
Satoshi
16
リベラル系の著作を読むことが多いので、偏らないように保守系の本も読むようにしている。敗戦から講和条約までの占領下に日本の魂がマッカーサーにより骨抜きにされていく過程を歴史的な資料をもとに記載している。ところどころに著者の熱い主張がノイズになっているが、知らないことも多く、勉強になった。憲法9条を男が女子供を守る本能を放棄させられた罠というのは言い過ぎ感がある。2023/09/19
おおとろ
14
☆☆☆☆☆ 現在の日本の社会システムの成り立ちを理解することができる良書。日本人の必読書だと思います。自国の歴史を知らないと、意見を言うことも反論もできませんから。2020/09/20