中公文庫<br> 日本怪談集 幽霊篇〈下〉

電子版価格
¥1,026
  • 電書あり

中公文庫
日本怪談集 幽霊篇〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 181p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122044654
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C1139

出版社内容情報

霊魂現象を客観的に見極めるため編まれた体験資料集。下巻には水船幽霊、タクシーに乗る幽霊、肉親の霊などを収録。〈解説〉木原浩勝(怪異蒐集家)

内容説明

「幽霊は実在するか」という疑問にたいして、現代の科学では幽霊の存在を認めてはいない。しかし、平安時代から現在まで、数えきれないほどの日本人が幽霊を目撃し、その怪音を耳にしている。本書は体験談を中心に古典文学、民話、随筆等の中から典型的な話を集め、霊魂現象を客観的に見極めるため編まれた「幽霊体験資料集」である。下巻には死霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊、親しい間柄の幽霊に関する例話を収録。

目次

第7章 死霊の働きかけ(防空頭巾の集団亡霊;子供にだけ見える ほか)
第8章 船幽霊その他(洋上に三本の松の木;海坊主のあくび ほか)
第9章 タクシーに乗る幽霊(タクシーと幽霊プロローグ;カー・ラジオの効用 ほか)
第10章 親しき幽霊(会計簿の整理に;フローレンスの亡霊 ほか)
幽霊外伝(幽霊は実在するか;幽霊と無縁仏 ほか)

著者等紹介

今野円輔[コンノエンスケ]
1914(大正3)年福島県生まれ。41(昭和16)年慶応義塾大学文学部国文学科(民俗学専攻)卒業。佐藤信彦、折口信夫から民俗学の手ほどきを受けるとともに、柳田国男に師事。毎日新聞社に勤務しつつ、民俗学研究所理事、日本民俗学会評議員などを歴任。82年没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あたびー

28
幽霊話を「すがたなきマボロシ」「人魂考」「生霊の遊離」「たましいの別れ」「魂の寄集地」「浮かばれざる霊」「死霊の働きかけ」「船幽霊その他」「タクシーに乗る幽霊」「親しき幽霊」「幽霊外伝」と章立てして、今昔物語や遠野物語などの文献、近現代の雑誌新聞からの記事から収集した幽霊話を列挙分析している。筆者の文調はチョットお茶目で、徹頭徹尾幽霊はいるともいないとも言わないスタンスで、それらを見たと人間が思っている事実や習俗などを研究している体である。自分の足で集めたとは言えないが、現在の実話怪談の基礎だろうか。2021/08/21

シガー&シュガー

13
働きかける霊、水難の霊、タクシーの霊、親しい者の霊に分類された下巻は上巻より現代に近い感覚で読めます。読み応えがあるのは外伝とされる最後の章。問題にすべきは幽霊そのものではなく、それを見た感じたとする我々自身の心理・状態のことである、という、この上下巻が編まれた目的の再確認部分でした。今の我々が残酷と感じる(例えば妊婦の腹を裂いて胎児を取り出す)行為は、それらが習わしとして行われていた当時とは感じ方に差があるということ、幽霊を見るのは特殊能力ではなく誰にも起きうる事象であることなど、興味深いまとめでした。2016/08/06

うえ

8
「日露戦争の当時は、満州の戦場では不思議なことばかりがあった。ロシアの俘慮の言葉に、「日本兵のうち、黒服を着ている者は射てば直れたが、白服の兵隊は、いくら射っても倒れなかった」という…白服を着ていた日本兵などはおらぬはずであると、土淵村の似田貝福松という人は語っていた」「第二次大戦で日本軍がマラヤに攻め込んだときの激戦地コタバルに近いカンポンクアラという小さな村の人たちは、首がない三人の日本兵の幽霊におびえている…祈とう師を呼んで、幽霊退治をしようとしたが、祈とう師が来ると幽霊は消えてしまい、お手あげ。」2020/05/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/33404
  • ご注意事項