出版社内容情報
戦争の足音が近づく昭和十三年から昭和十九年に発表された珠玉の短篇集。戦争の不条理を訴えるものや、現在のミサイル戦を予見する異色作品を多数収録。
内容説明
探偵小説が規制され始めた戦時下で、皮肉にも闊達な発展を遂げた戦争小説。その流れのなかで海野は、「戦争はみつめなければならない現実」として、密かに被害の予測と最少に止めるための対処法を作品に盛り込んだ。本書は「科学する心」を失わず、戦争と人間をみつめた珠玉の作品を昭和十二年から昭和十九年までに発表されたものから厳選した。
目次
空襲下の国境線
東京要塞
若き電信兵の最後
のろのろ砲弾の驚異
アドバルーンの秘密
独本土上陸作戦
今昔ばなし抱合兵団
探偵西へ飛ぶ
撃滅
防空都市未来記
諜報中継局
著者等紹介
海野十三[ウンノジュウザ]
1897(明治30)年徳島生まれ。早稲田大学理工学部卒業。電気試験所に勤め無線通信の技術開発に従事する傍ら、科学雑誌に解説を多数執筆し、技術専門書を刊行した。初のフィクション『ラジ夫と電子王の話』を発表後、海野十三名で処女科学小説『遺言状放送』を発表、「電気風呂の怪死事件」や「地味井先生の秘密」などで人気を博す。探偵雑誌「シュピオ」を創刊、その他の作品の映画化や舞台化など次々と話題を攫った。1941年、海軍省より海軍報道班員に任命され、南方に派遣されカビエング島攻略やラバウル初空襲を経験したが、デング熱と肺結核を患い帰還。原爆投下直後一家心中を謀るが断念し、1949(昭和24)年結核のため逝去。享年五十一歳
長山靖生[ナガヤマヤスオ]
1962(昭和37)年生まれ。鶴見大学歯学部卒。歯学博士。文芸評論、科学史研究を通し近代のイメージを刷新する仕事を手掛ける。96年『偽史冒険世界』で大衆文学研究賞受賞
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感想・レビュー
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Kouro-hou
いちはじめ
kappa
MIRACLE
結城あすか