中公文庫
武揚伝〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 378p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122042858
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

幕臣となった武揚だったが、官軍幕軍あい乱れての権謀術数の果て、徳川慶喜が幕府軍を見捨てたのを機に、遂に自分たちの新たな共和国をうち立てるべく蝦夷地に向け出航を決意する!

内容説明

戦わずして旗を降ろすのか!江戸開城・徳川移封。薩長と幕閣が謀る無惨な幕引きを甘受できなかった。ならば、武揚は決断する。志を同じくする仲間とともに蝦夷を開墾し、共和の新国家を建設するのだ。留学の知識を生かせば、幕府海軍にはそれができる。ついに幕府艦隊は抜錨し、北に針路をとった。

著者等紹介

佐々木譲[ササキジョウ]
1950年3月北海道に生まれる。自動車メーカー勤務を経て79年「鉄騎兵、跳んだ」で文芸春秋・第五五回オール読物新人賞受賞。89年「エトロフ発緊急電」で、日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会賞受賞。02年「武揚伝」で新田次郎文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

五右衛門

42
読了。いよいよ3巻まで来ました。薩長朝廷軍が進軍を開始し世に言う江戸城無血開城になりました。けれど今までに見聞きしていた勝安房守のイメージとは全く違っており新鮮でした。後半になると陸海軍の真の指揮者(提督)は釜次郎だと勝も認めざるを得ないまでに成長を見せました。次巻楽しみです。辛いです。でも読みます。2019/12/06

rei

4
大阪から江戸へと敗走した後から海軍が江戸を発つまで。延々と続く評定、恭順と決まり、沙汰が出るまでじっと待ち続ける武揚。その間には甲州鎮撫隊が失敗したり、彰義隊が倒されたり、脱走軍は宇都宮戦を経て会津へと戦局はどんどん流れているはずなのだけど海軍は動かない。荒波のなかでずしっと動かずにいるとうのは錨となっている武揚の重みがいかほどのものか、ということだろう。そして、武揚の他の誰とも違う目線が際立つ巻だ。2014/06/05

桜もち

4
薩長による倒幕が成り徳川家は400万石から70万石へ減封という過酷な処分を下された。幕軍の暴走を抑えたい勝海舟や奥羽列列藩がよって立てようとする東日本政権の帝になろうと目論む輪王寺宮などの入り乱れる思惑の中にあって武揚はあくまで冷静を保つこと、騙し合いのような駆け引きを切り抜けることを経てついに抗戦派の陸海軍を率いて脱走する。蝦夷地で共和国を建てるという武揚のビジョンはビジネスの世界に重なって見える。さながら技術、知識、交渉力、なによりも理念を持ったベンチャーを興す途上のような。2014/03/06

makimaki

4
とにかく待って待って待ち続ける1冊。会津やその他奥羽、新撰組以外で徳川方に着いた側からの視点は余り詳しくなかったから、とても興味深かった。2013/07/23

さっと

3
いつの間にやらすっかり出世してしまった武揚。恭順・抗戦をはかる評定の場でも堂々たる発言力。その海軍力があってこそだが、ここまで読んでくると、「すっかり大きくなって・・」と感慨もひとしお。とまれ、幕府が瓦解。はてさて、この先、何のために戦い続けるのやら。2011/11/20

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