出版社内容情報
磐音は、将軍家斉から、嫡子空也と目通りせよと命じられる。覚悟を決める磐音の懐には、老剣術家が立ち合いを願う書状があった……。
内容説明
田沼との激闘の日々は遠くなった。尚武館道場に入門し、兄弟子と立ち合い稽古に励む空也。居眠りしながら孫を見守る金兵衛。新春、心穏やかな時を過ごす磐音に、父子揃って目通りせよとの将軍家斉の命が届く。政と一線を画してきた磐音だったが、登城の覚悟を決める。その懐には、真剣勝負を願う老剣術家の書状があった…。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
96
この本であと2冊となりました。将軍から道場の再興を任されもとの神保小路に再建します。また息子も大きくなり後継ぎという感じになってきます。さらに主人公の周りには様々な人物も集まってきます。また以前から真剣勝負の約束をしていた人物とも試合の決着がありました。2021/03/25
yamatoshiuruhashi
37
長い戦いと変転の時を経て尚武館道場は本来あるべき神保小路へと再建される。遂に土子順圭との剣術家同士としての「尋常の立ち合い」がなされることになるが、命を懸けているにも拘わらず互いの矜持と尊敬の念が伝わってくるようだ。遂に金兵衛さんも身罷った。にしてもあと1巻、どうしても必要だったのだろうか。読んでみないと分からないが、本巻をもう少し整理すればここで終わったような気がする。2021/03/14
fuku3
19
2022.3.24読了。シリーズ第50弾。寛政5年磐音48歳、空也14歳!正に終焉に向けて準備に向かう今作!速水左近の計らいで磐音と空也は城中へ将軍の家斉から神保小路に尚武館の再興の命が下る!小梅村の尚武館も残し田丸輝信、早苗夫婦と空也、金兵衛と旅の浪人向田源兵衛が残った!尚武館の柿落としにお忍びで家斉が現れ磐音と空也の直心影流の奥義を見学した!その翌日磐音は土子順桂と竹屋ノ渡しで剣術家とし真剣勝負をし土子を斃した!国元の父政睦も大分弱てきた!奈緒は関前で紅花の栽培を!金兵衛が眠るように亡くなった!2022/03/24
紅葉
16
いよいよ最終巻まで後1冊。5年の歳月が流れ、空也も14歳に。50巻にもなると磐音や主なメンバーだけでなく、次世代もすっかり大きくなって…自分の息子が成長してしまった寂しさと同じような感傷にかられてしまいますね。うちの息子も可愛かったなぁ(笑) それにしても磐音の背負っている宿命を継ぐ空也は14歳にして覚悟が違う。立派です。どう成長していくのか楽しみですね。念願だった神保小路に尚武館道場が戻った直後の土子順桂との真剣勝負も、後を託される空也。心配事がなくなった中で逝った金兵衛さんは幸せですね。寂しいけれど。2021/08/09
ボタン
3
大団円に向けて収束していく。道場、尚武館も再興された。土子順桂は予想通り一撃で倒された。空也は立派になった。松平定信は表舞台から去っていき両替屋も紅屋も安泰。あとは次々と悪人の湧いてくる関前藩の仕置きだけ。遂にあと1冊。2023/02/03
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