出版社内容情報
韓国から台湾へ。リスボンからパリへ。マラケシュで迷路をさまよい、ニューヨークの木賃宿で安酒を流し込む。「老ヒッピー」こと檀一雄による檀流放浪記。
内容説明
うろついてゆくその行先が、自分の居場所である―。韓国へ、台湾へ、リスボンへ、パリへ。マラケシュではメジナの迷路をアテなくさまよい、ニューヨークの木賃宿ではコーンフレークをバーボンで流し込む。世界を股に掛ける「老ヒッピー」檀一雄の旅エッセーをまとめた檀流放浪記。
目次
第1章 漂蕩の自由(旅のはじめ;白日の鳴咽;わたしの洗脳)
第2章 老ヒッピー記(ヒッピーの浜;美少年の酒場;アテなしの旅 ほか)
第3章 悠悠たるかな(世界;わが半生の元日;悠悠たるかな ほか)
著者等紹介
檀一雄[ダンカズオ]
明治45年(1912)、山梨県に生まれる。幼年期は九州柳川で育つ。東京大学経済学部卒。在学中の昭和8年に小説「此家の性格」を同人雑誌『新人』に発表。太宰治、坂口安吾らとともに文学活動を始める。12年処女作品集『花筐』を出版。19年報道班員として、中国戦線へ。この年「天明」で野間文芸賞を受賞。その後「長恨歌」「真説石川五右衛門」で直木賞を、長篇『火宅の人』で読売文学賞・日本文学大賞を受賞。26年には捕鯨船に乗って南氷洋に出かけ、以後、世界への放浪を何回となくくりかえしながら作家生活をつづけた。51年(1976)1月死去
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感想・レビュー
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showgunn
17
檀一雄の旅行エッセイ集。場所とか時代とかでまとめられてるわけでもなくダラダラと続くし手癖で書いてる感じだけどそれでもめちゃくちゃ面白いのが流石、どの話もちゃんとオチがあって見事。特にペンギンを飼うエピソードがよかった。しかし本当にどうやってこれで暮らしてたんだ、家族もいるのに。息子の解説もよい。2016/10/17
ひろみ
6
爺いだのババアだのアル中だのR女史だの、ホントにどうしようもない人だ。それでも憎めず、時に声を出して笑いながら読んだ。放浪とも少し違う。これはもう性分なんだなぁ。2014/01/15
出世八五郎
4
旅本。酒好きな主人公(=著者)が世界を旅しながら酒を飲み現地人と交流する。下戸な私には魅力的だ。
derashine
3
「火宅の人」とかぶっている話が多いので、ああ、この時の話かうんうん、とか、この某女子のいやなうわさとはあの事だな、とか、色々突合せが出来る。薄くてあっという間に読み終わってしまったし、字が大きく感じたのは自分が普段読んでいるもののせいかな。2014/05/15
0717
3
檀一雄のまさしく「漂蕩」の酒、食、女をめぐる旅行記。初めて「火宅の人」を読んだ時には(僕も若かったから)何て身勝手な人なんだと思ったものだが、たとえ「火宅」に身を置くことになろうとも、自分の心のままに生きることを選ぶ人なんですね。自分にはとても出来ないけど、あこがれはあります。2014/03/08
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