中公文庫
インカ帝国探検記―ある文化の滅亡の歴史 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 253p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122038851
  • NDC分類 268
  • Cコード C1122

内容説明

高度な文明を築きつつ、スペインにあっけなく滅ぼされた太陽と黄金の帝国、インカ。厖大なスペイン語資料と実地踏査で、壮麗きわまる悲劇を躍動的に再構成する。増補版にあたって征服後の王朝に関する記事を追加。

目次

第1部 インカ帝国の発見(黄金帝国のうわさ;探検にのりだす;驚異の帝国)
第2部 征服者と黄金(征服者の道;インカ皇帝の身代金;太陽の都クスコ;秘められた谷間)

著者等紹介

増田義郎[マスダヨシオ]
1928年、東京に生まれる。1950年、東京大学文学部卒業。専攻は文化人類学、イベリア及びイベロアメリカ文化史。1959年からたびたびスペイン、中南米に滞在し、各国に多くの友人をもっている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

40
毎度のことながら、歴史を読むとヨーロッパ人の強欲さには辟易。それはさておき征服者ピサロは冷静さと強い忍耐力を備えていたらしい。何度か遠征を重ね、時には本国スペインに戻り準備やら根回しまでしている。クライマックスは1532年の運命の日、皇帝アタワルパが布陣するカハマルカでの会見、インカ数万の大軍とピサロの小部隊の対峙。皇帝の前に進み出たピサロ自身によりアタワルパは呆気なく生け捕りにされる。皇帝自身が神のインカは皇帝を捕えられると何もできなくなる。スペイン人の神キリストは決して捕縛されることはない。恐るべし。2018/12/02

義輝仮面

2
【★★★☆☆】 インカ帝国の滅亡の過程をスペイン目線で描いており、それまでのイメージとは違う一面を知ることができた。インカってスペイン以外にも敵がいたのね。南米大陸内に。2017/08/25

yutaro13

2
高度に洗練された文化を持ったインカ帝国が、野蛮なスペイン人にあっけなく滅ぼされた、というのが一般的なイメージでありそれ自体は間違っていない。本書ではピサロの行動を追うことで彼の意志の強さ、指揮官としての有能さをも指摘する。確かに、わずか160人あまりを率いて数万の兵を擁するインカ皇帝と対峙するには、尋常でない精神力が必要だろう。彼の征服がうまくいった要因については『銃・病原菌・鉄』第3章がよくまとまっている。解説で佐藤賢一が両者の信仰力の差について逆説的な指摘をしており興味深い。こちらも一読の価値あり。2014/01/13

ひつじ

1
ペルー旅行の予備知識として。物語風味に描かれているので、とても読みやすい。文献をひきながら筆者が一番わくわくしていたであろうことが伝わってくる。現在はマチュピチュは「太陽の都」ではなかったというのが定説らしいが。2015/11/18

ながれ

1
堅苦しいはずの歴史の本も増田さんのおかげで要点が分かりやすく楽しく読めました。こんなことが実際にあったの!?っていう部分が結構あってフィクションの小説を読んでいるようでした。何万の兵を持つインカと200人のスペイン人との勝敗を分けたのはピサロの存在とインカの皇帝を全ての中心に据えるという宗教観によるものではないかと思いました。インカの歴史を知りたい人はこの本から始めると頭に入りやすいですよ♪2013/11/14

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