出版社内容情報
ヒトラーの側近としてナチスドイツの軍需相も務めた著者が、戦後に獄中でまとめた回想録。ナチス政権内部の人間模様や出来事が生々しく描かれる。
内容説明
ヒトラーの側近の一人としてナチスの動向を内側から見続けたアルベルト・シュペーア。ニュルンベルク裁判後に獄中で綴られたこの膨大な記録には、ヒトラーとナチスの生々しい真実の姿が見事に描き出されている。
目次
少年時代
召命
転機
私の触媒
誇大妄想の建築
最大の依頼
オーバーザルツベルク
新しい総統官邸と一九三八年
ある日の総統官邸
鎖を解かれた帝国〔ほか〕
著者等紹介
シェペーア,アルベルト[シェペーア,アルベルト][Speer,Albert]
1905‐1981。マンハイムの中流家庭に生まれる。ミュンヘン工科大学卒業後の1931年、ヒトラーの演説を聞きナチス党に入党。ニュルンベルク建設総監やベルリン都市計画立案責任者などを歴任、多数のナチス建築を手掛け、ヒトラー側近の一人となる。1942年には軍需相に任ぜられ、以後、戦争工業の推進者的役割を演じる。1946年、ニュルンベルク裁判では禁錮刑を宣告される。服役中より回想録のメモをとり続け、出所後の1969年に刊行した
品田豊治[シナダトヨジ]
1913‐1994。上智大学経済学部卒。ドイツ・ミュンスター大学に留学。帰国後、上智大学経済学部講師。戦後は吉田内閣国務大臣秘書官、国会図書館館長次室長等を歴任。58年同大学名誉教授
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感想・レビュー
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シャル
6
再読。上巻は特に『ヒトラーのお抱え建築士』であったシュペーアが見た、ナチス中枢部とヒトラーという人物の実情がメインである。権力者の皮を被ったヒトラーと、人間としてのヒトラー。それぞれの裏と表の顔が垣間見えるのは、それだけシュペーアという人物がヒトラーに接近していたということであろう。権力の側にあること、そんな人物が自分を認め、知られざる一面を見せること。問題多き人物であるとはいえ、それがいかに若き建築家を魅了したことか。だが戦争が迫りそして始まると、公人としての顔と狂気が増していくのがなんとも皮肉である。2015/11/05
ymazda1
1
彼が軍需相でなければドイツは早々に降伏してたなんて話が気になって読んでみたけど、当然といえば当然だけど、その辺の客観的な裏付けは見つからんかった・・・それよりも、トップが「お友達」で側近を固めても、組織はそれなりに機能してしまうってことの方が、決してナチスに限った話じゃないって感じで、ちょっと恐かった。。。
印度 洋一郎
1
ナチス政権下で、ヒトラーの側近の一人だったアルベルト・シュペアーが戦後になって連合軍に収監されている時にものした回想録。上巻は生い立ちから、若き建築家としてヒトラーに見出され、徐々にナチスの中枢へと入っていく大戦前半まで。シュペアーから見たヒトラーは、「人遣いが荒く、気分屋だが、建築にも造詣が深く、自分を認めて抜擢してくれた良いボス」だった。ベルヒスガーデンの山荘で二人っきりでドイツの未来の首都について語り合うくだりなどは、ヒトラーに魅了されている様子が伺える。2016/01/23
はりぼぢうむ
0
やっと購入出来た。2016/10/05
偽教授
0
「もし、ヒトラーに友人がいたとすれば、私がその友人であったろう。私の青春の歓びと栄光も、それから後の恐怖と罪も、ともに彼のおかげである」――アルベルト・シュペーア ニュルンベルク法廷における証言2012/03/07
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