出版社内容情報
姉さんはブラックホール、
姉さんは倒れてくる木、
姉さんは海。
彼女がいなかったら、わたしは一人の人間ではない。
マン・ブッカー賞史上最年少候補となり、
シャーリイ・ジャクスンとスティーヴン・キングの
申し子と称賛された新鋭による、
一篇の詩のように忘れがたい物語
絵本作家の母に育てられた、9月生まれのセプテンバーと、翌年7月生まれのジュライ。内気で意志の弱いジュライは、貪欲で残忍な姉の支配下に置かれているが、二人の絆は他の誰も必要としないほど強いものだった。彼女たちは春先に学校で起きたある事件をきっかけに、オックスフォードから亡父が生まれ育った〈セトルハウス〉へと引っ越してきたが、それを機にジュライの中には奇妙な違和感が芽生える……最年少でブッカー賞候補となった俊英による、一編の詩のように忘れがたい物語。
内容説明
わたしは姉のセプテンバーの誕生から十か月後に生まれた。でも、互いの誕生日を混ぜ合わせて同じ日にしている。セプテンバーがそう決めたから。セプテンバーはゲームをする。セプテンバーが指示する側、わたしが操り人形。彼女の言うことをなんでも聞かなくてはいけない。指示通りにできなかった場合、わたしは命を一つなくしてしまう。そうやって遊ぶときはたいてい、わたしには命が五つあって、全部なくしたら何かが起こることになっていた。内気で意志の弱いジュライは、姉のセプテンバーの支配下にあるが、二人の絆は揺るぎないものだった。春先に学校で起きたある事件をきっかけに、母とともに町を出て亡父の生家へと引っ越したが、それを機にジュライの中には奇妙な不安と違和感が芽生え…
著者等紹介
ジョンソン,デイジー[ジョンソン,デイジー] [Johnson,Daisy]
1990年イギリス・デヴォン州生まれ。2016年、短編集Fenでデビュー。長編第1作のEverything Underで史上最年少のマン・ブッカー賞最終候補となる。現在はオックスフォード在住
市田泉[イチダイズミ]
1966年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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buchipanda3
藤月はな(灯れ松明の火)
ヘラジカ
NAO
愛玉子