内容説明
北京原人の太古の時代から、中国文化の原形がほぼ固まった、約三千年前からの殷・周の時代までを、考古学、歴史学を駆使して描く。人間が初めて姿を現したときから歴史のあけぼのに及ぶ最高の人間ドラマ！最新の成果を踏まえて気鋭の研究者が、豊富な図版を織りこみながらわかりやすく解説する。
目次
黄河のながれ
狩猟人の変遷
農耕社会のはじまり
農耕文化の進展
伝説と史実のあいだ
殷の歴史地図
殷の都と社会組織
殷の神々
殷の国家組織
殷の産業
天の命、周にくだる
郁々乎として文なる哉
南北の疆域
著者等紹介
水野清一［ミズノセイイチ］
明治３８年（１９０５）、神戸市に生まれる。昭和３年、京都帝国大学文学部史学科（東洋史学専攻）卒業、北京に留学。５年、東方文化学院京都研究所に入所。２４年、京都大学人文科学研究所教授。文学博士。『雲岡石窟』により日本学士院恩寵賞、朝日賞を受く。４３年退官。４６年逝去。調査報告書のほか、『雲岡石窟』（共著）、『東亜考古学の発達』、『殷周青銅器と玉』、『法隆寺』、『中国の仏教美術』等の著書多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コーキ
3
夏：禹の治水事業。石になった禹の妻。禅譲の制。殷（商）：甲骨文。奴隷社会。帝辛の夷方大征伐。開国伝説（玄鳥・燕の卵を飲んで始祖の契を妊娠）。湯王、夏の桀を誅す。紂王の暴虐。宗廟への大量埋葬。首のない殉葬者たち（奴隷）。亀甲の占卜。殷王は卜師の長。祖先神と自然神。農業、牧畜、狩猟、青銅器、酒。周：後代の理想化。開国伝説（巨人の足跡と捨て子の棄・稷）。文王のさばき（虞とぜいの領土争い）。文王の軍師、太公望。牧野の戦い。武王、紂王を討つ。若い成王への叛乱と周の東方征伐。封建制度。血縁と宗法制度。礼と楽。2015/05/13
でこれ
0
前半の人類学に関しては、少々古い説が紹介されているので要注意。夏あたりからの基準はよみごたえ十分の力作であった。2014/05/01
