内容説明
ヨーロッパアルプスの名峰マッターホルンの山小屋には、標高4000メートルに浮かぶ「空中トイレ」が存在した…!?女性登山家として活躍した著者が、登山中や旅先で遭遇したいろいろなトイレ問題をユーモアたっぷりに紹介する異色エッセイ。
目次
第1章 登山家のトイレ話(トイレが取り持つ貧乏登山の思い出;マッターホルン標高4000メートルの空中トイレ;アイガー麓の完全水洗トイレ ほか)
第2章 旅人のトイレ話(有料トイレは半開きで;ベッドサイドにバス&トイレ;マルガリータホテルは人力水洗 ほか)
第3章 女性のトイレ話(雪柳とナンテンに囲まれた私の専用トイレ;人プン、ケイフン、下仁田ネギ;パンツをはかない子供たち ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中野純二
2
かの新田次郎著『銀嶺の人』のモデルとなった、強靱な体力と崇高な精神を併せ持ち、そして医師としても活躍された今井通子さんによる一冊。山を愛する者として心して拝読しましたが…、題材が題材だけに全編通じて食事の前後は避けたいかなというのが率直な感想。今井さんごめんなさい。素敵な楽しいエッセイでしたし、考えさせられる事もたくさんありました。 同じような題材を扱った石田ゆうすけ氏の『いちばん危険なトイレといちばんの星空』は、食事の前後にも楽しめる、最高に笑い泣ける名作です。2022/08/04
つちのこ
2
登山用語で用を足すことを“キジうち”という。小は「小キジ」、大は「大キジ」、女性の場合は「お花摘み」という。著者の「お花摘み」に関する苦労話は、私自身、なまじ山の世界を知ってるだけに可笑しく読める。なかでもマッターホルンの山小屋にある断崖絶壁に建てられたトイレや、アイガー北壁の下を流れる天然の水洗トイレなど、世界の山々を登ってきた人の話は楽しく読めた。この本をもって各国のトイレ事情見聞という側面から見ると、その道の研究者には興味深い資料になりそうだ。(2000.8記)2000/08/06
たなカツ
2
食べたら出さねば、そんなトイレの話、なかなか興味深かった2015/01/23
Shungo Shimazu
1
アルプス3大北壁女性初登攀者であり、泌尿器科の医師でもある筆者ならではの軽妙なエッセイ。そのトイレを経験するためだけに、マッターホルンのヘルンリ尾根を登る価値があると言う。2014/09/13
yamakujira
1
登山家にして泌尿器科の医師でもある著者が、伝わることの少ない高山でのトイレ事情を、ユーモラスにえがく。途中で夜を明かす岩壁登攀も、排便の様子を想像すると滑稽だし「山を汚すな、携帯トイレを使え」と言いたくなるね。 (★★★☆☆)