出版社内容情報
後深草院の後宮二条が、みずからの半生を綴った日記・紀行文学。鎌倉中期の宮廷で数奇な体験を重ねつつ、自己を確立し成長していく女性の姿を描く。
内容説明
後深草院の後宮に入った女房二条が、三十六年間にわたるみずからの半生を綴った日記・紀行文学。鎌倉中期の宮廷で燃えあがる灼熱の恋と罪の呵責の相剋―。苦しみの果てに自己を確立し成長していくひとりの女性の姿を叙情豊かに描く。平成九年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てつのすけ
40
この時代の女性は、本当に「大変だったんだな~」と思う。歴史関連の書籍を読むには、やはり当時の風習を知っていないと理解は難しいと思った。2020/02/08
アカツキ
17
二条の宮廷恋愛を中心に描いていて、旅に出てからのあれこれは結構端折られている。ドロドロエロエロになりそうなところをあまり露骨にならないように配慮されている。後深草院は二条を便利なおもちゃ程度にしか思ってないだろうと考えていたけれど、こちらでは二条を嫉妬させたくてということになっていて二条のモテ度がアップ(やってることは変わらないけど)。二条に会う度に有明の月が泣いているところが好き。彼はこうでないとねというところが押さえられていて嬉しい。2022/09/05
猫森
11
後ろ盾のない女性にはつらい時代…で済ますには、御所様のあまりにも身勝手さが目に余る(宿直の主人公を他の男にその場で…するとか)。あーた、畳の上じゃsiねないよ!と思ったけど、よく考えてみると源氏物語のようなフィクションで「光源氏様、あはれ×∞」より、後深草院の勝手な人柄をこうも生々しく伝えているのは、やはり個人の手記だからなのかな、と思い直した(まだ判然としない部分もあれど)。好みは別れるけれども、現代の常識・モラルで簡単に結論を急いではいけないかも。2022/01/31
K K
11
これは素晴らしい!読書会で紹介があり読了。二条の一生が切ない。美しすぎるが故男に愛され翻弄された女。日記があるというから、多少本人による脚色がある可能性は否定出来ないものの事実であると思うと驚きである。 源氏物語の逆パターンのストーリーは以前から読みたかった。 やはりラストはそうなるのですね。 平安時代に生まれたかったなぁ。 いがらしゆみこさんの昭和タッチの絵もいい。2018/06/05
もっちゃか
11
どんなお話かよく知らずに読んだので、びっくりしましたが…すごい時代だったんだなぁとしか言いようが…。理解も共感も難しいですが、最後の出家後の部分はもう少し読んでみたいと思えました。2014/06/26