内容説明
悠久五千年の歴史を支えた、「名将」の条件とは何か―。中国歴史小説の若き旗手が、私的に選ぶ名将百人。知られざる英雄から、「史記」「三国志演義」でおなじみのヒーローまで。国を守り民に慕われた英傑たちの武勲とともに、王朝の繁栄と凋落を、翻っては雄大な歴史の流れを俯瞰する。本巻では、群雄割拠の春秋戦国時代より世界帝国・唐の成立までの約1400年を収録。
目次
大河のほとり―春秋時代
亡命者群像―戦国時代
そびえたつ長城―秦時代
灼熱の七年―漢楚争覇時代
栄光と寂寥―前漢時代
隴を得て蜀を望む―後漢時代
横行する虚像―三国時代
流血の宴―東西両晋時代
江南の春―南北朝時代
世界帝国への序曲―隋時代
人生、意気に感ず―唐時代(前)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
18
「長編の締切を何とかごまかそうとして、短篇をひとつ引き受けてしまうというような例が、いくらでもあるわけです」 はじめにで書かれていますが、この本もその例に当てはまるようです。春秋時代(それ以前は神話伝説の領域に属する要素が強いから省いたとの事)から、清(それ以降は武将ではなく、軍人というべき、との事)まで99人の武将を選び その説明をつけています。条件についても冒頭に収録の「私撰中国歴代名将百人」に書かれています。この上巻では春秋時代から唐時代(前)、58人までが 収録されています(続く2019/09/08
Mzo
18
中国の名将を挙げながら、中国史を総ざらいするような本。陳舜臣の『小説十八史略』と似た印象もあるけれど、それよりも平易な口調で読みやすい。あちらもかなり読みやすいけどね。こちらも作者の思い入れがたっぷりで楽しい。いろいろ中国の歴史物を読みたくなります。下巻も楽しみ。北方謙三ファンにはお馴染みの名前が幾つもあるし!2017/10/03
ようはん
15
中国史に残る名将を99人厳選して解説。上巻は春秋戦国時代から唐代まで。史記や三国志以外の時代にも魅力ある武将は数多いが、主君や周囲の対立等で終わりを全うし得なかった武将もまた多いのは乱世の厳しさという事か。2020/02/23
Akito Yoshiue
12
この本がなかったら中国史に興味を持たなかっただろう。再読、再再読に足る名著だと思います。2017/07/26
Akihiro Nishio
10
陳舜臣の「小説十八史略」「中国の歴史」を読んでいる自分ならば、登場する武将のほとんどがわかるだろうと思って読んだが、知らない名前も、名前を知っていてもエピソードを忘れている武将も多かった。日本人にとっては名前を覚えにくいので繰り返し読まないと覚えられないですね。この作者、銀英伝とアルスラーンで有名だが、随唐演義という本を翻訳しているとのこと。これは面白そうである。2016/04/09