出版社内容情報
年もわが世も尽きぬ――。柏木と女三の宮の密通、薫の誕生、はかなく息絶える紫の上。消え行くものと生れ出づるものが激しく交差する光源氏の最晩年。
内容説明
年もわが世も尽きぬ―。柏木と女三の宮の密通、不義の子薫の誕生、怨霊となって跳梁する六条御息所、はかなく息絶える紫の上。生れ出づるものと消えゆくものとが激しく交差する光源氏の晩年。平成九年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てつのすけ
35
ようやく上・中・下の3冊を読み終えた。上を読み終えたときは、「なんじゃこれは!」と思ったが、下まで読み終えた感想は、「時代背景がわかれば、面白いかも?」と変わった。もう一度読み直す前に、当時の文化や風習を理解してからにしようと思う。2020/01/22
活字の旅遊人
27
「藤裏葉」から「雲隠」。光源氏の精力も流石に衰えていくが、息子・夕霧は光源氏をなぞるような行動。まだ生きているが、輪廻とか、因果応報的なものを感じざるを得ない。それにしても紫の上が不憫だ。作者モデルだと思うが、その現実的選択を受け入れる姿に同情する。耐える理想の女性像なんだろう。そして今更ながら、人事以外の行政的な話題がないことに愕然。「宇治十帖」には改めて挑戦、とあとがきにある。出るとしても、このシリーズではないわな。 2021/04/18
らっそ
13
若き日の自分と同じ過ちを犯した若者を、放置して死に至らしめた後に、かわいそうとか言っちゃう源氏。平安マインド・ゼロなので理解できない。源氏のキラキラ感に近づくことができないまま終了2022/06/04
更紗蝦
11
女二の宮(落葉の宮)にねちっこく言い寄る夕霧のウザいこと…。思いを遂げた後のドヤ顔が、これまた一段とウザいです。やんちゃな赤ちゃんぶりを見せる薫や、子供らしい純朴さを見せる匂宮が登場しているだけに、宇治十帖が描かれていないのがとても残念です。2015/03/05
あんさん
10
下巻は藤裏葉から雲隠まで、宇治十帖はカット。紫の上も源氏も年を重ねる。柏木と夕霧はまめまめしいのがかえって痛々しい。そして多くの人が不幸になり、出家と仏のもとでの来世を望むようになる。ある意味災害も多かった平安の世相の反映か。マンガとはいえ大きな物語を読み終えることができた。2024/11/15
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