内容説明
敗戦占領の混乱期、終戦連絡部にて対GHQの最前線に立った著者。国民生活の疲弊がすすむ一方で、当時は外貨管理・貿易・予算編成等、全てがGHQの直接干渉のもとにあった。著者は蔵相とともに、あるいは単独で交渉にあたる。交渉はしばし困難を極め、その中で著者は詳細な事務日記をつけた。この日記をもとに、日本財政経済再建のかげの立役者が、戦後激動期の日本財政裏話を生々しく再現する。
目次
終戦―初仕事は英文タイプ捜し
司令部―GHQのサムライたち
渉外奇談―オットセイは英語にあらず
幣原内閣のころ―省議の席にチョコレート
補償打ち切り問題―石橋蔵相の抵抗
終戦処理費―インフレの脅威
二・一スト―騒然たる賃上げ闘争
石橋蔵相の追放―国際的な反響呼ぶ
貿易再開と棉花借款―戦後最初の外貨借款
二十三年度追加予算の紛糾―連立内閣のむずかしさ〔ほか〕