内容説明
舞台は唐王朝、山東省内の仮構の都市ウェイピン。俊英の高級官僚ディー判事とは、のちに武則天時代の大宰相としてその名を謳われた狄仁傑―。ディー判事は身元を秘した旅の途中、ウェイピンの旅舎に宿をとった。彼の前に現われる当地の県知事、富裕な銀行家、美しい未亡人、不良少年、娼婦、そして殺人事件。朱の漆を刻んだ四季屏風の図柄をめぐる謎を軸に、錯綜する推理は展開する…。優れた東洋学者にして外交官でもあったファン・フーリックが生んだ文武両道の名探偵、ディー判事登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夏子
3
外交官でもあるオランダ人作家の書いた中国を舞台にした探偵小説。昔のミステリーでは中国はなんでもありなので探偵物に登場させてはいけないとかされていたらしいですがこちらは特に怪しげな展開にはならず真っ当に推理してゆく物語でした。2017/07/13
Steppenwolf
1
昨日古書店にて筑摩文庫から出ていた著者の作品を購入した。それで本書のことを記録していたか確認したところ未登録だったのでここに記録する。中国の専門家と話したところ本書は歴史公証もしっかりしているとのことであった。私は,本書を読んだ当時大して期待せず読み始めて面白かったので別の本を探そうとしても絶版だった。その後ハヤカワから出版されたのだが私の方の興味が移っていて買わなかったし読まなかった。やはり読書にもタイミングが重要なのである。
saba
0
アンディ・ラウの映画から入ったので、長いあごひげを首の後ろで結んでだの妻「たち」への土産だのには若干の困惑が。シリーズ何作もあるのに今はなかなか手に入れにくそう。次も読みたいんだけどな。2014/01/24
nightowl
0
怪しい四季屏風についてと自身の狂気を語る怯えた知事。入水した男の事件。胡散臭げな伍長とその仲間達。色目を使う未亡人。この都市で起きた犯罪とは?探偵役の休暇ものであり、シリーズの時間軸を埋める合間の作品。そのせいか軽く、複数の事件が関係しているのにシンプルで分かりやすい。さりげなく今後の伏線も一箇所あり気になるところ。解説(ネタばらしあり)にある中国の探偵小説内容はかなり派茶目茶。2010/04/06
いちはじめ
0
ディー判事シリーズ中期の長篇。三つの事件が絡みあう構成がなかなか良い1999/05/17