内容説明
戊辰戦争で心ならずも朝敵にされて以来、会津人は、明治大正はもとより昭和に入っても政府の過酷な差別を受けた。会津人の歴史への怨念は長く、深い。本書は、悲劇の発端となる容保の守護職拝命から、若松城落城とその後の斗南移封まで、会津藩の波瀾の歴史を描く。勝者・薩長側を告発した注目の維新史。
目次
運命の章(京都守護職―台命下る;守護職就任―吾れより望みしにあらず;京への道―動の予感 ほか)
激動の章(謀略の天才たち―偽勅乱発さる;明暗の岐路―真勅秘勅;黒い嵐―天誅組横行す ほか)
悲憤の章(将軍江戸へ帰る―会議は踊る;会津藩江戸屋敷解散―使い捨てにされた兄弟;奥羽鎮撫軍北行―招かざる客・世良修蔵 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まきまき
1
幕末、徳川宗家より京都守護職を命ぜられ、ときの孝明天皇に深く信頼されながら、明治には「朝敵」とされた会津藩主・松平容保。その人生に寄り添いながら、激動の時代を丹念に描く。厖大な資料を引用した史実ながら、小説家の筆は読みやすく、波乱の展開にグイグイ引き込まれる。まさにまさに、動乱の時代である。じっくりと因果関係を含めて語られて、ようやくあの10年ほどの間に何があったのか腑に落ちた気がする。こりゃあ、学生時代にサッパリ分からなかったのも無理ないや・・・☆2016/07/04
もゆう
1
幕末の会津藩について会津出身者が書いた本。白虎隊関連の本は何冊か読んだが、初めて知ったこともあった。なぜ京都守護職を断れなかったのか、わかりやすかった。2013/07/25
ispanoman
1
ドラマと同時進行中で手に取ったが途中から幕末明治維新期の自分にとっては不明の数々を知るところとなり、視点を変えて見れば、負けた賊軍と称せられた者たちこそが正義ではなかったかと、、、視聴率に惑わされずドラマ『八重の桜』を見守る気になってしまった。2013/03/06
tsubasa
0
しんどい。知らないことだらけ。2015/01/07
cybertiger
0
後半をよく覚えてないのが気になって再読。後半は、読んでいてつらい。前回は、端折ってしまったらしい。戦争に駆り立てられる少年たち、女性や幼い子供まで巻き込んだ自刃。会津戦争における官軍は確かに悪だ。しかし、それだけでは済まされないものがある。会津は最後まで武士が武士らしかったと言われている。では会津藩は、何故、あんなに戦争(戦略、戦術)と外交が下手だったのか。武士道は日本文化の一面を創っている。ネガティブな論考は少ないが、負の側面があるのではないだろうか。2022/09/11