内容説明
ここに七つの殺人事件がある。これは単なる犯罪ではない。人生の暗い「影の部分」が強烈な人間洞察の光に照射され黒々とした断層を露呈する。めぐる怨恨と悲しみの車―。第一話潜在光景から第七話田舎医師まで、展開する凄絶な、推理界第一人者の真迫の筆。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yu。
25
どういうわけだかこの苦みは一度味わうと癖になる 七つの倒錯劇。。お気に入りは‥ といいましょうか、ある時期を境に“お金こそすべて”と悟った独身OLが魅せる意地と偏屈の勝ち組魂が生むアートな完全犯罪に思わず拍手「鉢植を買う女」(今回で三度目)は何度読んでも満足得られる傑作!‥で今回の収穫は、亡き父親が昔去った故郷へ訪れた主人公が感じた暗く重たい人間模様はその厳しい土地柄を表しているよう‥「田舎医師」。2017/02/16
版画
4
この薄暗い雰囲気、嫌いじゃない。2013/04/03
スローリーダー
3
サクっと読める短編集。しかし、内容は重い。人間の心理の影の部分が炙り出されて寒気を催す。江戸川乱歩程ではないにしても、それに通じる怖さがある。米澤氏の『満願』にもこのテイストを感じる。自分としては「潜在光景」がベスト。「確証」はヤバい。2015/10/01
きりん
2
人間のドロドロした性悪な部分満載の短編集。ありそうで、なさそうな話ばかりだが、どの作品もストーリーがよく練られており、よくこんな話考えつくなぁという感じ。さすが国民作家。「鉢植を買う女」が個人的には№1。2021/08/22
雲國斎
2
短編集だが,おもしろいね。「潜在光景」は,映画化・ドラマ化されてたよね。1994/03/16
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