内容説明
本書は、周産期心理臨床に長年携わってきた臨床心理士によって書かれた、入門の1冊です。周囲に望まれなかった妊娠、夫婦の不仲、不妊、死産、早産、リスクを抱えて生まれてくる子どもたち…。親と子が出会い、関係を築いていくプロセスには、それぞれ固有の物語が存在しています。NICUや周産期医療における「こころのケア」では、これまで親子がたどってきた道のりに思いをはせながら、目の前の親子を抱える「器」として機能していくことが一番重要なことだと著者は言います。同分野にかかわる心理スタッフだけではなく、助産師、看護師、小児科医、産科医など必読。
目次
第1章 周産期における親と子の出会いとメンタルヘルス(親と子が出会うということ;妊娠・出産のメンタルヘルス)
第2章 現代の医療と妊娠・出産(妊娠から出産までの心理的課題;リスクを抱えて生まれてきた赤ちゃんと家族 ほか)
第3章 NICU入院となった赤ちゃんの母親の精神的健康と子どもへの感情(満期産で元気に生まれてきた赤ちゃんの母親との比較;出産後の抑うつと母親愛着が1年後に与える影響 ほか)
第4章 周産期医療における親子の関係性への支援(NICUにおける関係性支援の試み;周産期の心理的ケア ほか)
第5章 周産期医療における心理臨床(周産期における心理的ケアの特殊性;目の前に赤ちゃんが“いる”ことの意味 ほか)
著者等紹介
永田雅子[ナガタマサコ]
山口県生まれ、名古屋大学発達心理精神科学教育研究センター母子関係援助分野准教授、臨床心理士。平成5年名古屋大学教育学部卒業。平成7年名古屋大学大学院教育発達科学研究科修了。平成8年~名古屋第二赤十字病院小児科臨床心理士として勤務(ほかに、大学院在学中より日本福祉大学心理臨床研究センター、南知多町保健センター、昭和荘保育園、知多市子育て総合支援センター、浜松医科大学子どものこころの発達研究センターなどでの心理臨床活動に携わる)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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