内容説明
旺盛なる好奇心と人間を愛することでは人後におちない人間観察の達人が、文学と医学から、人間とその周辺の様々な問題―生と死、生きもの、宗教、国家と人間集団、未来社会―について自在に語りあう。創見と知的興奮にみちた人間探究の書。
目次
生と死のこと
生きものとは
宗教を考える
国家と人間集団
未来社会の哲学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akira
20
医学に通じる山村氏と文学に通じる司馬先生との対談。生物から歴史、宗教から民族と多岐にわたる。特に医学関係は面白い。生物関係の内容も多い中、ふと思う何か。1980年代から時を経た2016年。様々進化したが人間はどう生きるのかが、あらためて問われていると思う。同時にどう死ぬのか。より良く生きたい。より美しくいたいという願望のうらで失われるなにか。まだまだ人間の生き方、死に方は変わりそうだ。「生物だから老化するんだ、老化をやめさしてくれというのは、生物をやめさしてくれということだ、と言うんです」2016/06/07
時代
12
こんな表紙装丁だけど、かなり医学と科学に踏み込んだ対談で、すこぶる楽しめた。個人的にやけど。数十年前にして今現在の生物学的倫理観の問題を的確に予見している。天晴れ山村氏。コロナ禍の今読むと感慨一入であった◎2020/11/30
HIRO1970
2
☆☆☆2010/11/02
ゴリゾウ
0
旺盛なる好奇心と人間を愛することでは人後におちない人間観察の達人が、文学と医学から、人間とその周辺の様々な問題-生と死、生きもの、宗教、国家と人間集団、未来社会-について自在に語り合う。創見と知的興奮にみちた人間探求の書。『カバー』 #8691999/03/09
VAN
0
医師山村雄一氏との対談。作家として人間をとらえる司馬さんと医師として人間をとらえる山村さんは、角度こそ違うが同じ人間というものを生涯考え続けているだけに、とても奥深い対談であり、興味深い洞察に基づく思考を繰り広げています。医学が科学になったのはごく最近のことで、それまでは膨大な経験則から導き出された症例をもとに、治療をしているとの説明にはとても気付きをもらいました。対談ものにしてはとても読みやすく、一気に読んでしまえるほどの内容です。2020/12/03