内容説明
人間のみに許された華麗なる「夢」世界へ―。芸術や宗教の根底に横たわり、快楽・錯乱・狂気にまで高まるエロティシズムの渉猟。精神のパラドックスへの冒険をどうぞ―。
目次
セクシュアルな世界とエロティックな世界
眼の欲望
エロスの運動
女のエロティシズム
存在の不安
同性愛と文学について
十人の性科学者
異常と正常
処女の哲学
胎内回帰願望について〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
101
久しぶりの澁澤龍彦。女性蔑視の色合いが濃いけれど、それも時代なのかな。エロティシズムを哲学、文学、神学、心理学等の様々な角度から考察したエッセイ。内容の古さは否めないけれど、とても興味深く読みました。性とはなかなか奥深く、謎めいている。2017/05/03
Shoji
61
エロティシズム、タイトルがいいですね。真っ向ストレート。エロティシズムを真面目に語っています。よって、少々哲学的であったり心理学的であったり生物学的であったりします。私には難しいことは分かりませんが、世の中を構成しているのはオスとメスであって、それぞれに性器を有していて、繋がるためのエロティシズムを語っています。要するにエロティシズムは万物創世の源ってことか。2017/10/21
Endo Takafumi
9
非常に難しい作品でした。人間の本質や業といった今の自分ではまだまだ理解不足な点がエロティシズムを通して垣間見えるのは面白くありましたが、反面自分は本著にあるような多様なエロティシズムを楽しむ価値観を持ち合わせていないような気がして、嫉妬しました。笑2015/03/15
午後
6
性の区別は曖昧なもので、男性的・女性的とされる性質を男性のもの・女性のものと断定するための心理学的な根拠はないと言う話がおもしろかった。やや古い本ではあるので、今でもそうなのかはわからないけれど。バタイユ以外の様々なエロティシズムの考え方にも触れることができたのも勉強になった。視覚優位のエロティシズムとか、エロティシズムは必ず挫折するとか。子宮と棺の関係とか。2018/03/03
てぃんくるかけそば
6
かなり昔の作品ということで、今読むと(特に女性には)不快に感じられるところが多いかもしれません。しかし、澁澤さんの観点だったりフィーリングというのは科学的云云という枠を超えてとても面白いです。2012/05/05
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