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椎本
総角
早蕨
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
17
原文に対するアレンジを何処まで受け入れられるか?そのラインは読み手ごとに様々だとは思う。窯変におけるアレンジは光源氏存命の第二部までは新鮮なものに感じていた。しかし、どうも「雲隠」以降のアレンジについては少し入り込めなく感じており、読むペースも落ち込んでしまった。特に、妹の中君に対する大君の感情を同性愛的な側面を強調して描いた部分は、少なくともこの物語の中においては極めて不協和と感じる。それにしても、それぞれ頭中将と光源氏の孫に当たる薫と匂宮、孫の代になっても美味しいところだけ持っていくのは…。ちと不憫。2022/02/17
かふ
14
光源氏の一人称から紫式部の三人称に変わったことによって敬語が多く回りくどい表現が多くなったと思われる。また女房たちの世間という視線と天皇制による階級社会の世界という綾が大君と薫、中君と匂宮との恋愛に絡み合う。それは八宮の父と聖になれない俗世間の欲望は、薫の師としては不完全過ぎた。それは薫に娘を頼むといいながら欲望は持つなというダブルバインド(禅問答的な)にかけるのである。さらに娘たちには男に騙されれないで自立していけと言うのだから大君は父の洗脳を受けていたのである。2024/07/27
Jack Amano
2
宇治十帖に入ってから、今一つ入り込めずにいて、惰性で何とか読んでいる。語りが光源氏が一人称で書かれていたときと、語り手が登場人物ではない紫式部になっているので、そういう感じがするのかな。薫と匂宮という源氏と頭中将の孫の世代になっても、基本的な展開はあまり変わらないせいなのか。ここまで来たので何とか最後まで読もうとは思うが。。2025/01/27
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
2
宇治になってからウジウジしてスケールも小さく、煌びやかさも少なくなった気がする。それは普通に人たちの生き様を描くようになったためか。さっさと読み飛ばしてしまった。せっかくだから最後まで読むけど。互いに蝕み合って嘆きあって、そんな悲劇を演じる恋愛の何が楽しいもんか笑。ま。それが日本的なんだろうなあ。2021/12/21
madhatter
1
再読。光君と頭中将もひとりの女を取り合ったりしてはいるのだが、薫と匂宮ほど陰惨ではなかった気がする。十巻までの源氏の語りにおいては「女を介在した男同士の関係」についてきちんと触れられていたため、むしろそれが微笑ましくすらあったのだが…女の語りに移行した結果、男の論理というものが不透明になったが故に、この二人の嫌らしさみたいなもんが、逆に強調されてしまった観がなきにしもあらず。まあ、二人の女に対するスタンスという問題もあるが。2012/08/11