感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
14
本巻の読みどころは「乙女」「玉鬘」か。これまで存在感の薄かった息子(夕霧)がいよいよメインプレイヤーの一人として物語を動かし始める。独自の教育方針により(人としてギリみなされる五位未満の)六位スタートだのお受験だの、極めつけに初恋の人・雲居の雁の引き離しだの、多感な時期に難題ばかり。失恋の傷を癒すのは新たな恋とばかりに惟光の娘に懸想しーの。第二部からは想像できないくらいウブな夕霧。そして、夕顔の忘れ形見・玉鬘の登場。娘として引き取るという建前ゆえの源氏の歪んだ欲情が際立つ。展開の捻り方が際立ってくる。2021/09/10
かふ
9
「朝顔」が結婚しない女のエピソードから「乙女」「玉鬘」では女の幸せは結婚することであるという物語だが、男親に取って娘を嫁がせる幸せというような話になっていく。そして光源氏は一人だけではなく四季折々の妻を得るわけだが中心は次世代の息子の話になっていく。一度目は悲劇として、二度目は喜劇としてというようなコメディ色が強くなっていく。面白いのは惟光の息子と夕霧の関係で、惟光の息子も夕霧同様要領が悪い。結果的に光源氏の息子の妻になれるかもと期待して惟光を喜ばすという。2024/04/15
maekoo
7
画期的な深掘昇華の各巻4~500Pの源氏物語現代語訳全14巻の六巻、朝顔・乙女・玉鬘・初音を描く。 朝顔の斎院の光拒否が克明で面白い! 光の独白で話は進むがその女性論も聴け、秋好中宮とか玉鬘との光の微妙な関係も巧く描いている! 乙女巻では女五の宮や若き日の夕霧等々個性的な面々も掘り下げていたり五節の舞姫の立場と惟光が渋る意味も良く分かり愉快! 大宰府の西ノ京の乳母と右近の夫々の想いや戦略も深まっていて興味深い! 文体は相変わらず大和言葉満載で美しく雅だが会話は場面によって現代語に近くその使い分けが面白い!2025/09/30
みほ
4
ちょっと中弛み。夕霧って本当魅力薄だなぁ。2013/12/16
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
3
いよいよ源氏の息子・夕霧世代の恋愛かと思いきや…。九州にいた夕顔の娘が、地元豪族の強引な求愛から逃れて上京し、劇的再会をするが、その場面は源氏ではなく再会した夕顔の元乳母右近の語り。その再会が、光の君のセクハラパワハラをエスカレートさせていくきっかけになるから面白くて目が離せない。天上人でない者、田舎者、年寄りは人にあらずんば的な態度で、冷やかしたりからかったりして楽しむ天上人の態度は平和だからこそかな。暇な会社ほどいじめがあるような感じかな。70近くになった尼・源典侍が登場、お元気そうで嬉しかった。2021/11/24




