内容説明
山本五十六連合艦隊司令長官の最期、「零戦神話」の崩れた日、加藤隼戦闘隊隊長ベンガル湾に死す、日本軍唯一の米本土空襲、日本陸海軍機と空戦したリンドバーグ―。太平洋の航空戦史に残った知られざるドラマの数々を、日米欧の発掘資料と生存者の証言をもとに精細に再現し、鎮魂の思いをこめて綴る。
目次
山本元帥の最期―残された疑問
マクガイア最後の空戦―ネグロス島上空の混戦
「ゼロ戦神話」の崩れた日―新郷・スミスの一騎打ち
帰らざる友永雷撃隊―ミッドウエーに死す
九七戦対モラン・ソルニエ―仏印上空の味方打ち
シャングリラからの贈物―東京初空襲のドーリットル爆撃隊
レンネル島沖海戦―檜貝少佐の夜間雷撃
加藤軍神を葬ったブレニム―アキャプ沖の波紋
目標!アメリカ本土―オレゴン州上空の零式小型水偵
知られざる南寧上空の空戦―ゼロ戦対P‐40〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
56
『第2次世界大戦航空史話』の前編に当たる航空情報連載を集めたもの。山本五十六遭難というもっとも有名と思える話から始まるが、その他は割合地味な話が多い印象。アメリカの女流飛行家イヤハートの遭難は太平洋戦争前の話だが、スパイ飛行説もあったとかで登場。とにかく著者らしくマメに調べ、裏取りを行っている。最終章の飛行第三戦隊の参謀石川中佐は、レイテで行方不明になるが、その前の段階で特攻に反対しており、特攻推進派であった上司の富永中将とはおりが悪かったようで、それが直前の配置換えにつながったとか。色々あるんだなぁ。2023/06/21
roatsu
5
日本陸海軍航空隊の戦いの中で印象深いエピソードを集めた短編の上巻。表紙になっている加藤軍神の最期、山本長官機撃墜事件、支那大陸で零戦隊が喫した大敗、米本土爆撃行など大小の史実を彼我の当事者や記録を丁寧に取材し具体的にどういう戦いが行われたのか、を描いています。当時の実相を無味乾燥な記録としてではなく生き生きとした形で知ることができる史料集です。2014/03/09
ききき
2
太平洋での空戦は落ちたら海でほぼ助からないって状況だったからか、同じ系列の第二次大戦航空史話に出てくる話に比べて辛い話が多かった様な印象。ミッドウェーでの友永雷撃隊やレイテでの最上の索敵の水上機隊の話など海軍に絡んだお話もあるので歴史に興味がある提督も!艦これは妖精さんで本当に良かった。そう思えてしまうと思います...2014/09/06
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