内容説明
明治二十一年、遺作となった自著の表紙に、馬場辰猪はローマ字で「頼むところは天下の与論目指す仇は暴虐政府」と刷りこんだ。藩閥政府の告発と自由民権運動の擁護につらぬかれ、アメリカで客死するに至る、その精神的苦闘の軌跡を克明に辿り、明治前期における急進的知識人の肖像を浮彫りにする画期的労作。吉野作造賞受賞作。
明治二十一年、遺作となった自著の表紙に、馬場辰猪はローマ字で「頼むところは天下の与論目指す仇は暴虐政府」と刷りこんだ。藩閥政府の告発と自由民権運動の擁護につらぬかれ、アメリカで客死するに至る、その精神的苦闘の軌跡を克明に辿り、明治前期における急進的知識人の肖像を浮彫りにする画期的労作。吉野作造賞受賞作。