内容説明
高校三年生の悠里はある日の放課後、見知らぬ男子高校生に呼び止められる。悠里のことを好きだったという友人、天也の葬式に来てほしいというのだ。会ったこともない、話したこともない男子の一方的な想いを告げられ、気味悪さを感じた悠里だったが、その日から不思議なことが起こりはじめて…。孤独を抱える悠里が出会った、ひと夏の奇跡―。感涙必至のラブストーリーが大幅改稿で登場。
著者等紹介
飯田雪子[イイダユキコ]
静岡県出身。1994年『忘れないで:FORGET ME NOT』で第1回ティーンズハート大賞を受賞し作家デビュー。恋愛小説の名手として人気を博し、2006年に上梓した本作『夏空に、きみと見た夢』は「号泣必至のラブストーリー」としてシリーズ累計10万部を超えるベストセラーとなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベローチェのひととき
13
本屋さんを物色していて気になって入手した本。帯紹介に、「きっと涙する」「10万人が泣いた感動作」と紹介されていたので読んでみようと思った。高校三年生の悠里は見知らぬ男子高校生から、悠里のことが好きだった友人の空也の葬式に来て欲しいと言われ、そこから物語が始まる。どういう話の流れになっていくのか想像つかなかった。最後に悠里が周りの人々に対し、素直になれたのは良かったと思う。2025/07/09
ほんのむしちゃん
4
孤独を抱える高校生の悠里は自分を好きだったという知らない男子校生・天也の葬式に来て欲しい、と天也の友人に頼み込まれる。話したことのない知らない男の子から好かれていた嫌悪感を抱えながら天也の葬式に参列。その後不思議なことが起こり始める。最初はホラー要素のある小説なのかと思って読むスピードが落ちたが 後半は読む手が止まらなかった。「泣きたいときに泣けないのは、かえって不幸だと思う。化粧を気にしてたら、泣けなくなるよ」2025/05/26
葉月文
3
七月の終わり。カーテンの隙間から覗く、青に染まった空。一人しかいないアパートの一室に、ページを捲る音と蝉の鳴き声だけが響いてる。2006年に発売されたオリジナル版を当時、夢中で読んだ記憶がある。あれから月日が流れ、世界や自分のいろんなことが変わり、そして記憶の中にあった永遠は薄れてしまっていた。主人公である女子高生の至らなさ、幼さ、それらをどこかむず痒く思うのは、流れた月日で僕が変わってしまったせい。でも、ちゃんと変わらないモノもあった。それは、人が人を愛する気持ち。その普遍性を僕らは永遠と呼ぶんだろう。2025/07/30
五眼レフ
1
同じ死別を経験したのに、一方は自分より思い悩んでいるように思えない。なぜ平気でいられるのか、悲しくないのか、もう忘れてしまったというのか。悠里がパパに抱いていたそんな感情はよくわかる。そして後々になって自分が未熟なだけだった事に気づく経験もよくわかる。悠里の心の成長にほっこりする作品だった。2025/06/21