中公文庫<br> ジェルミナール〈上〉

中公文庫
ジェルミナール〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 405p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122021143
  • NDC分類 953
  • Cコード C1197

内容説明

不況の嵐が吹き荒れる北フランスの炭坑モンスー。エチエンヌ・ランチエは、低賃金と苛酷な地下労働によって搾取される民衆のために、ストライキを組織しようと起ち上がる…。苦悩と飢え、荒々しい欲望と死。炭坑労働者の悲惨な生活を描く野心的大作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

118
北フランスのモンスー炭鉱における鉱夫たちの生活をかけた懸命な生きざまと社会主義運動の浸透の影響をリアルに描いた自然主義文学の力作。ゾラの代表作とされている。機械工エチエンヌは前職で上司を殴打し解雇されて炭鉱での職を得る。炭鉱では毎日のギリギリの生活を余儀なくされており、子だくさんの貧困家庭ばかりで若い娘はすぐに子供を作ってしまう。落盤による死亡、重症が発生したり、ついにエチエンヌは労働者に呼びかけてストライキを実行する…。人間以下の労働・生活環境をゾラはこってりと描写している。下巻はいかに。G1000。2023/12/10

星落秋風五丈原

26
【ガーディアン必読1000冊】エティエンヌ・ランティエはジュルヴェーズと内縁関係にあったランティエとの間に生まれたランティエ家次男。『居酒屋』では家を出て働き始め、母に仕送りする姿が描かれる。さて、そんな次男が何をしていたかというと。エティエンヌが、北フランスの寂れた炭坑街モンスー に職を求めてやってくる。彼は前に働いていた鉄道の仕事を上司と喧嘩してやめさせられたが、知り合った熟練の炭坑夫ボンヌモールが、泊まる場所と炭坑で台車を押す仕事を探してきてくれた。彼は多くの労働者階級文学を読んでいた。 2024/03/31

フリウリ

13
鉄道工場で上役を殴って仕事を追われ、新たな仕事を求めて歩き回り、フランス北西部の炭鉱の街、モンスーに着いたエチエンヌ。空腹に耐えかねパンを得るため、いやいや炭鉱夫となったものの、「毎日少しずつ機械の役割に追い込まれてゆき、正真正銘の坑夫」となっていきます。冒頭の場面から不穏な雰囲気に満たされていて、これはなにかえらいことが起きそうだ、と期待感をかきたてられます。ゾラのしつっこい筆力が強烈です。1885年刊。82024/06/20

mstr_kk

11
「これまで挫折してきた世界文学の歴史的名作を今度こそ読む」シリーズで取りこぼした、しかし、絶対に読みたかった作品です。最初は読みづらいのですが、人物などを把握すると、もう最高に面白いです。19世期の社会主義を、底辺から描いた小説。ストーリーも面白いですが、この小説のすごい点は、リアリティの迫力で勝負していることではないでしょうか。鉱山労働者の悲惨な生活の描写も、ブルジョワの生活の描写も、非常に強いリアリティで貫かれています。2020/10/26

ほしいもアボカド

3
なんでか、フランス映画「ヘッドライト」を思い出した。                      ~不条理への静かなアプローチ。2015/11/18

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