内容説明
戦後、気象庁の初代長官を務め、〈和達‐ベニオフゾーン〉でその名を世界的に知られる地震学の泰斗が、中央気象台で地震記録の解析の最先端にいた昭和8年に、数式を一切用いないで、当時の最新の研究成果を折り込みながら、地震という現象を平易に解説した名著。
目次
地震の概念
地震の回数
地震の世界的分布
我が国に於ける地震の分布 付、地震帯
地震と人体への感じ方(器械なしの地震動の観察)
地震計の原理
地震計の構造
地震計の自己周期〔ほか〕
感想・レビュー
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「和達・ベニオフゾーン」という深発地震面を発見した和達清夫による、地震学を平易に解説した本である。地震波が地球内部を伝わる様子や地震の観測波形から震源を推定する方法に関する内容は地学に明るくない人には退屈かもしれないが、数式を使わず直感や経験で理解できるように書かれているのが良い。ちなみにこの本が出版された頃はまだ「プレートテクトニクス」という概念が現れる前であり、地面が年間数センチ動くことは明らかになっていたようだが、「地殻内にはたらく力」が何であるかははっきりしていなかった。2019/07/25