内容説明
人口百万とも二百万ともいわれた超巨大都市江戸の、最も栄えた元禄時代。貧しくもあり豊かでもあったそれぞれの階層の人々が織りなす政治・文化等を中心に、今に伝わる間違った江戸の常識を見直し、華やかな繁栄の影の部分と共に今日の日本の繁栄の原点をも追求する歴史エッセイ。
目次
江戸時代の皇室
参勤交代は日本経済を活性化させた
元禄時代の繁栄と忠臣蔵
江戸の絵地図と案内書
田沼意次の税制改革
東京が駄目なら名古屋があるさ
江戸時代像の虚実
江戸末期の借金始末記
江戸時代の賄賂
江戸時代の「江戸」の物価
江戸時代の経済史
私の大江戸論
大江戸の常識
感想・レビュー
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cybertiger
1
元は過去に様々な雑誌に発表されたもの。但し、そこから想像されるようなエピソード集ではない。いずれも本格的論考である。幕府と皇室の関係、田沼意次が株仲間を奨励したのは間接税(売上税?)を徴収するため。鋤と鍬の話に絡めて新田開発による生産増の時代と農法の工夫による生産増の時代を語る。一揆が百姓と領主の生命をかけたギリギリの戦いであったこと。領主が如何にしてギリギリまで年貢を取り立てたかに関する議論と浅間山噴火に関する論考が特に興味深かった。執筆年代が旧いのが残念。2024/10/09
DEN2RO
0
260年余りの長きにわたって庶民がいくさで死なずに済んだという点だけでも「江戸」は日本史のみならず世界史上画期的な時代であり社会であったと思います。その画期的なシステムは中世以前とどのような点で大きく異なっていたかが具体的に述べられていて、目から鱗でした。2017/01/07