内容説明
日中戦争時、軍の密命をおびて内蒙古、青海、チベットなど西域地区に潜入した外務省一調査官の記録。祖国の敗戦の報に接した著者は、孤立無援のままラサのレボン寺でラマ僧の修行に入り、ラマ僧として青海からチベットへの未踏の秘境を辿る。死線をさ迷い、苛酷な運命に耐えた、想像を絶する体験記。
目次
内蒙古篇
寧夏篇
甘粛・青海篇
青海・蒙古篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
7
日中戦争時、軍の密命を受けて西域地区に潜入した外務省調査官の記録。・・というとかの佐藤優氏を思い浮かべるが。こちらは全くイメージが異なり、一介の苦行僧の風貌。 大昔、川口慧海のチベット潜行記を読んだ。その時の驚きと比すと、ちょっと文章にだるいものがある。でも成し遂げた行動にはただただ感嘆するのみ。慧海は仏教への求道精神で旅したが、西川氏は生きる為に旅した。この一冊を読むだけで、かなり時間を要したし、ちょっとあと2冊を読むのはなぁ~ この3巻の「抄」もあり、そちらがコンパクトに楽しめるようだ。2013/06/02
rinrinkimkim
3
今年一番苦労した1冊。とにかく長い。潜行とあるしスパイだった人の活動記録かと思いきや時に景色を、過酷な自然を、ラマの暮らしをと満州からチベットを目指したラマになりきり日本人男子の冒険旅行です。自分の足で超えた難所。二本の、この自分の足で。となかなか感激屋さんで豊かな感情をそのままに書かれています。オムマニバトフムは南無阿弥陀仏だったんですね。あとダライラマは達頼ラマと漢字で書くそうです。勉強になります。中下巻も読みたい!続きもラストも沢木本でそこそこわかっているけれども、この方のほとばしる感情を知りたい。2024/12/18
しんかい32
1
二次大戦中にスパイとしてチベットへ潜入した人の体験記。著者は外国語も達者だしおそらくとても優秀なんだが、非常に素直な性格のようで、それが文体や他人とのやり取りにちょっと天然っぽい素朴さとして顔を覗かせるており、現地でのときに過酷な体験にもかかわらず、全体にユーモラスな空気が漂っていて、独特の面白さがある。もちろん書かれている内容自体も興味深い。上巻ではまだチベットにたどり着けていないが…。2013/01/12
金木犀
0
持ち帰り2007/12/29
HH2020
0
◎2023/03/03