内容説明
厭世自殺・痴情殺人・少年犯罪・売春・ユダヤ人問題に絡む殺人・マフィアと各種工場の地下経済・ノーメンクラツーラが支配する国家機関の汚職など天文学的数字に達する各種犯罪の実態、かならず突き当る捜査の壁、党の政策で揺れ動く無原則な裁判。亡命捜査検事がドキュメンタリー・タッチで描くソ連犯罪白書。
目次
赤の広場の銃声
血塗られた復活祭
中国大使館前の事件
セルゲーエフ事件
わたしが―「犯罪者」だ
秘密の原則
ゴリーツィノの狂人たち
グーセフとサハロフ
マフィアとマフィオズム
法の女神の三つの顔
350万件の事件ファイル
父と子
アレクシーとピチリム
秘密エイジェント
ソ連の犯罪統計
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新橋九段
2
ソビエトの当時の犯罪状況がうかがえる貴重な資料。共産主義国家特有というよりは、政府が権力を持ちすぎたゆえの結果という感じが。2018/06/28
VC
1
酒に麻薬に自殺。すでに崩壊した今となっては良く知られていることだが、ソ連人民の抑圧された感情はやはりどこかで発散されるもの。所詮国は違えど人間は人間。基本は一緒だと思い知らされる。後、ソ連時代の自殺者数は1年で3万人であり今の日本と大差ないんですよね。当時のソ連の人口が今の日本の2倍近くあったのを考えると、日本どんだけ心に厳しい国なんだよと思ってしまう。まぁ、自殺率は今でもロシアが高いけど・・・2010/01/20
Kenshi
0
亡命した旧ソ連の捜査検事が、自らの関わった事件等について綴った本。彼の国では法律や倫理よりも、利権やソ連共産党の権力構造の維持のほうがが優先されるため、事件そのものよりも捜査過程のほうが奇妙でグロテスクになる。さらにその権力自体が腐敗しているため、もうどうにもならないという・・・。2019/03/10