中公文庫<br> 氷輪 〈下巻〉

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中公文庫
氷輪 〈下巻〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 298p
  • 商品コード 9784122011601
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エドワード

23
下巻の主役は孝謙天皇だ。古代日本最後の女帝。私はこの人好きですよ。推古天皇や持統天皇のようにキマジメでなく、ヒステリックなところが外国の女王のようでむしろさわやかだ。偉大なる母光明皇后と稀有な政治家藤原仲麻呂の下で鬱屈していた彼女は、その覆いがとれた時、暴走する感情のままに生きる。永井路子さんのセリフまわしもマリー・アントワネットばりでムチャ面白い。彼女がなぜ未婚の女帝にならざるをえなかったのか、その辺を解説して欲しかった。鑑真の戒めた呪いや占いが相変わらず横行する朝廷。このまま平安鎌倉まで突っ走るのだ。2014/10/07

こぽぞう☆

20
図書館本。孝謙称徳天皇の成長ぶりがスゴい。仲麻呂って先生がいたからな。結局、彼女と仲麻呂、彼女と道鏡の関係は各作家が考えるところを書くのだな。そして、全編を流れる仏教、戒律の問題。仏教は元々インドのものだし、中国なりの許容の仕方、日本なりの許容の仕方があったのかな、と私は思う。とりあえず、この前奈良に行った時行き損なった唐招提寺行きたいな。2019/07/07

RASCAL

17
主人公が誰なのかはっきりしない小説でした。黒岩重吾さんにも同時代を書いた「弓削道鏡」がありますが、政治的という意味では、永井さん、突っ込みが深い。永井さんは、孝謙女帝は、藤原仲麻呂とは肉体関係はなかったが、道鏡とはあった派なんですね。お飾りだった孝謙女帝が男のために政治に目覚める件はなかなかの迫力。大局的に見れば、誰が、ではなくって、仏教の在り方そのものが主人公だったのかな。2014/06/19

タカボー

15
道鏡の出現により藤原仲麻呂と孝謙上皇は袂を分つ。奈良時代のフライデーが発掘されない限り真相はわからないが、スキャンダラスな香りが漂う。話が下劣になった途端に読みやすく感じ始め、私は自分の品性レベルに愕然としました。淳仁天皇を廃し重祚した称徳天皇は公私混同やりたい放題。和気清麻呂に激怒して、「きよまろ(清麻呂)」の名を「きたなまろ(穢麻呂)」に変える(笑)もうネーミングのセンスがたけし軍団。それに比べて鑑真の死に様の見事さ。なんか日本人として申し訳ない。序盤の文章の硬さもフリなのか?と思うほど面白かった。2021/04/27

リードシクティス

14
太政大臣にまで上り詰め、空前の権勢を手にした藤原仲麻呂。しかし女帝の寵が、僧・道鏡に移ったことから栄華は脆くも崩れ去る。仲麻呂の反乱を瞬く間に鎮圧した称徳(孝謙)女帝は遂に道鏡に皇位を譲ろうとするが―。卓越した政治手腕をもつ仲麻呂の采配が悉く失敗し、恋に目が眩んだ気儘で高飛車な女帝の思いつくままの采配が当たりに当たって、呆気なく仲麻呂の天下が潰える辺りは、ある種痛快であり、歴史の面白さを感じた。その後の意外な政治力をみても、道鏡と出会った後の女帝の変貌はまさに覚醒。恋で歴史を変えた古代史上最大のヒロイン。2018/01/12

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